Googleが提供するさまざまなツールが無料で利用できる「think with Google」ですが、その一つのツールとしてマーケティングに役立つ数々のデータが閲覧できる「Data Gallery」ベータ版がリリースされていたようです。
▼think with Google 「Data Gallery」
https://www.thinkwithgoogle.com/data-gallery/
中国語や韓国語には対応しているのに、残念ながら日本語には対応していない「think with Google」ですが、「Data Gallery」にはどんなデータが掲載されているのかちょっと覗いてきました。
「Data Gallery」では、「産業(industry)/プラットフォーム/テーマ(thema)」の各カテゴリに基づいたデータが閲覧できます(検索語句を入力することもできます)。
例えばいよいよ開催までに半月ほどになったリオ五輪にちなんで、「スポーツ」に関するデータを見てみると、
「2012年のオリンピックへのYouTube上での検索インタレストは、2014年のワールドカップや過去6回のスーパーボウルよりも高い」
確かに言われてみれば、オリンピックは競技数も多ければ参加者も世界各国から集まります。そうなると文字通り世界中のさまざまな人から検索インタレストが高まるわけで、オリンピックの中継をテレビを見ながらYouTubeで「この選手だれ?」を検索しているシーンが想像できますね。
「合計すると、2015年の最初の6週間の間に広告が視聴された700万時間よりも、スーパーボウル開催時における広告視聴時間は長い」
米国で最大級のスポーツの祭典と言えばスーパーボウルですが、そのたった1日での広告視聴時間が平時の6週間を上回るというのは、どれだけ多くの国民が中継にかじりついているかを物語りますね。どの大企業も大枚をはたいてでもスーパーボウル中継番組に広告出稿するため、血道を上げるわけですね。
続いて「小売」カテゴリを見てみると、
「オンラインショッピングで最も人気のある曜日は火曜日と水曜日。一方、店舗販売は金曜日と土曜日が休日ショッピングで最も売れ行きのよい日となる」
これを聞くとECサイトの運営者の方は、火曜日と水曜日に「在庫切れ」を極力減らす努力をしたくなりますね。それにしてもなんで火曜日と水曜日なんでしょうか?
――と言いながら、わが身を振り返ると本日(火曜日)の午前に自信もオンラインショッピングをしていました。なんで……?
「30%の消費者は、店に近いという理由でオンラインよりも店舗での購入を好む」
個人的にすごく共感できるのですが、この感覚ってわずか30%止まりなんですね……。オンライン通販も即日配送してくれるとは言え、「いますぐ欲求」は今のところ満たしてくれません。この30%層をECサイトに取り込むには相応のインセンティブが必要となりそうですね。
「41%の消費者は、店にいる間もスマホでローカル情報を検索している」
一聴すると謎の行動ですが、もしかしたらオンラインでクーポン券などを探しているのでしょうか?
となると、その店のWebサイトは「来店前の消費者に閲覧されるもの」という固定観念はあまり根拠のないものとなります。お店にいる間に検索しているユーザーが楽しめるようなコンテンツを置くなんてのも手かもしれませんね。
これらは一見すると妙な心理学のようにも聞こえますが、前述のとおりGoogleによるデータに基づいた分析結果となります。意外な事実がてんこ盛り状態になっていますので、マーティングに携わる方は一度覗かれてみてはいかがでしょうか?