昨年2015年に大きく脚光を浴びたのがコンテンツマーケティングだとすると、今後大きく注目されそうなものとして「動画マーケティング」は間違いなく挙げられるでしょう。
ですがこの動画マーケティングを考える上でもやはり切り離せないのが「Webのモバイル化(スマホ化)」ですが、実際にモバイル端末で動画広告ってどの程度効果があるのでしょうか?
まだ動画マーケティングという手法自体が新しいこともあり、効果検証を行ったデータをそれほど目にすることはありませんが、動画広告関連の各種サービスを提供する株式会社CMerTVが「スマホ動画広告の視線・感情分析」に関する興味深い調査データを発表しました。
なにより「スマホ動画広告の視線・感情分析」ってどうやるの?という疑問が先立ちますが、同社は「FACT4」はスマホ内蔵のカメラでユーザーの視線・感情を読み取り、サービスを評価・検証する“次世代型マーケティングツール”を用いて今回の調査を行ったそうです。
▼「FACT4」の仕組み
【1】53.5%のユーザーが動画広告を好感、商品認知度は13%上昇
今回の大手Webメディア上で行われた調査で使用されたのは「オーバーレイ広告」(サイトの閲覧位置に関わらずスマホ画面上に動画広告が表示される形式)。そのため視聴率86%の高さはある意味自然な数字ですが、コンテンツを覆い隠するように表示されるオーバーレイ広告もあるのであまり印象は良くないかと思いきや、53.5%のユーザーが「好印象」を持ったとのことです。
▼記事を読んでいる際の被験者の視線、感情を可視化した結果
(視線は「○」で表示され、感情がgoodの時は「ピンク」、normalは「グリーン」、badは「パープル」と色付けされる)
また動画広告の効果に関しても、宣伝されてたい商品名を覚えた視聴者13%増と一定の効果があったようです。
▼動画広告が表示された記事を読んだユーザーへのアンケート調査結果
【2】動画広告はコンテンツの妨げにならない!?
また動画広告を視聴しているユーザーの視線を先ほどの「FACT4」にて追跡したところ、
広告ありの場合は記事を読んでいる際に視線が中央に寄っていることが判明しました。つまり、ユーザーは記事と動画広告の両方を視認していると考えられ、読み応えがある良質な記事であるほど動画広告の完全再生率が高まる、という好循環を生み出しているそうです。
(n=広告接触者50名、広告非接触者50名 計100名)
株式会社CMerTV(シーマーティービー)
URL :https://www.cmertv.co.jp/
今回の調査結果から様々なことが読みこめそうですが、「動画広告は自宅のテレビで見るもの」という前提は崩れ去り、動画広告をめぐるユーザー環境は大きく変動しています。
今後そうした環境の変化を受けて動画広告自体もスマホに最適化される可能性は十分考えられ、どんなクリエイティブな表現が見られるのか楽しみですね!
【参考記事】
ゲーム内広告の最適な形式は「リワード型動画広告」。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンがレポート。