WordPressのREST APIは、2009年に導入されたカスタム投稿タイプ以来の大きな前進です。これにより開発者はWordPressの核となる部分とフロントエンドを切り離し、高いカスタマイズ性を持つアプリを作成することができます。
今回はWordPressのREST APIとは何なのか、どういった所で使われているのかを紹介します。
REST APIとは?
REST APIはWordPressサイトのコンテンツを簡単に取得することができるAPIです。これを利用すれば、CMSをコンテンツ発信のストレージとして使うことができます。サイトのデータをシンプルなJSON形式で取得し、HTTPリクエストの送信と同じくらい簡単にデータを更新することが可能です。
現在、ウェブサイトの28%はWordPress上で制作され、そのフロントエンドはPHPとWordPressのテーマシステムで構築されています。REST APIを使うことで開発者はWordPressのフロントエンドに縛られることがなくなり、好みのプラットフォームからデータの取得・更新が可能になります。
REST APIの使用例
REST APIは既に大手ウェブサイトで利用されています。いくつか例を見てみましょう。
・New York Times
New York TimesはリアルタイムブログにおいてREST APIを活用しています。ジャーナリストはカスタマイズされた管理インターフェースで新たなニュースが入ると同時に記事を投稿できます。REST APIのおかげでSlackからの投稿も可能になっており、ジャーナリストは突然事件が起こった場合でも近くのコンピューターを探してログインする必要がなく、自分のスマートフォンから記事を投稿できるようになっています。
・Wired
WiredもREST APIをリアルタイムブログに使用しており、Slackからの記事投稿が可能になっています。またアップルのニュースアプリへの記事配信にもREST APIを利用しています。通常はOutbrainを使用して記事の末尾に広告を挿入していますが、何らかの問題が発生した場合に備えてREST APIでも同様のことが行える体制が整えられています。
REST APIの普及により、開発者はWordPressを訪れることなくWordPressを使うことができるようになりました。そして実際に、そうした使い方が普及しつつあるのです。
開発が進むにつれてWordPressと他のサービスとの連携が進み、CMSを単なるブログツールから大きく変身させることになるでしょう。大きな可能性を秘めたREST APIをぜひマスターしてください。
※本記事は、How the REST API is Helping WordPress Evolveを翻訳・再構成したものです。