・太陽に最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリの周りを回る2番目の太陽系外惑星の証拠を発見。
・プロキシマcと名付けられたこの惑星は、地球の6倍の質量を持つ可能性がある。
・地球よりもはるかに寒く、居住できる可能性は低いと推定されている。
天文学者たちは何年もの間、太陽系に最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリを様々な方法で観測し、その惑星の伴星を見つけようとしてきました。プロキシマ・ケンタウリは、地球から4.243光年離れたケンタウルス座の南に位置する、質量の小さな恒星です。
2016年、ヨーロッパ南天天文台がプロキシマ・ケンタウリのハビタブルゾーン【生命居住可能領域】を周回する惑星を発見しました。この惑星はプロキシマ・ケンタウリbと名付けられ、太陽系に最も近い太陽系外惑星として知られています。
そして今回、国際的な研究者チームが、この恒星を周回するもうひとつの太陽系外惑星を発見しました。プロキシマcと名付けられたこの惑星は、地球より質量が大きく、氷の巨人である海王星や天王星より質量が小さいスーパーアースかもしれないのです。
17年分のデータを分析
プロキシマcは、地球の6倍の質量があると推定されています。主星プロキシマ・ケンタウリとの距離は1億3,900万マイルで、公転周期は5.2年と予想されています。
一方、プロキシマ・ケンタウリbはプロキシマ・ケンタウリを460万マイルの距離で公転しており、公転周期は11.2地球日です【地球日:地球の自転周期に基づく地球上での1日】。
主星からの距離が大きいため、プロキシマcは地球よりはるかに寒く、居住できる可能性は低いとされています。この惑星の気温は摂氏マイナス233度まで下がるのです。
緑色の領域がプロキシマ・ケンタウリのハビタブルゾーン
画像出典:YouTube
プロキシマcの存在を確認するためには、さらなる追跡調査が必要です。この研究においては、研究チームはこの太陽系外惑星の存在を確認できること、そしてガイア天体分光法と半径方向速度を融合させることによって、その正確な質量を評価できることを示しました。
この研究の結論は、分光活動診断の分析によって裏付けられました。もしプロキシマcの存在が確認されれば、小さな恒星の周りにある低質量惑星の形成過程について、研究者たちがよりよく理解する助けになるかもしれません。
通常、このような太陽系外惑星は恒星のハビタブルゾーン付近で形成されると考えられています。しかし、プロキシマcの軌道はこのゾーンをはるかに超えています。
今回の発見は、太陽を除く最も地球に近い恒星の惑星系を、特に直接撮像によってさらに観測する機会を提供することになります。