太陽系が、観測可能な宇宙の中で唯一生命を維持している惑星系であるという事実だけでも驚くべきことですが、太陽系が極めてユニークである点は他にもあります。
宇宙探査は古くから行われていましたが、20世紀後半の観測技術の進歩により、太陽系の奥深くにある惑星系をより正確に知ることができるようになりました。この記事では、太陽系に関する興味深い事実をいくつか取り上げます。驚きの事実をご紹介しましょう。
1. 最近発見された小惑星オウムアムアは、現在太陽系を通過している太陽系外天体として初めて確認されたものです。科学者たちは、この小惑星が4,500万年前に、少なくとも6,500光年の距離にある、りゅうこつ座-はと座星団から放出されたのではないかと推測しています。
2. 木星は、太陽系最大の惑星です。赤道直下にある巨大な高気圧性低気圧「大赤斑」が有名です。また、ハッブル宇宙望遠鏡によって初めて発見された北極の強力なオーロラも、この惑星の重要な特徴のひとつです。
3. 水星は太陽系で最も高温の惑星だと思いますか? もし、そう思わないなら、あなたは正しいのです。この問題の正解は金星です。金星の周りには厚い大気があり、太陽からの熱を閉じ込めてしまうため、最高気温は、地球の56度に対し、470度にも達するのだそうです。
4. 太陽は基本的に巨大なガスの球ですが、太陽系内の全質量の99%以上を含んでいます。地球は、太陽とは比べものにならないほど、ほとんど質量がありません。
5. 矮小惑星とは、惑星でも衛星でもなく、惑星に似た軌道を持つ惑星のことです。IAU(国際天文学連合)では、現在、冥王星、ケレス、ハウメア、エリス、マケマケの5つの矮小惑星を認定しています。
6. 天王星は望遠鏡で発見された最初の惑星であり、海王星は観測ではなく計算によって発見された惑星です。
7. どの惑星でも、1日は自転にかかる時間で計ります。水星の1日は、地球の58日に相当することをご存知でしょうか?
8. 天王星は軸の傾きが97度で、これは太陽系では最も大きいものです。そのため、その極は、他の惑星では赤道にあたる場所に位置しています。このように極と赤道が入れ替わることで、天王星の天候は季節によって極端に変化します。
9. 月のサイズは小さく、その重力は地球上の6分の1です。したがって、月での私たちの体重は6分の1になるのです。
10. 環状星系を持つ惑星は土星だけではありませんが、最も顕著な環状星系を持つ惑星であることは間違いありません。しかし、それが発見されたのは1970年代になってからです。太陽系にある他の環状惑星は、木星、海王星、天王星です。
11. 研究により、天王星と海王星のマントルは、液体炭素の海であると考えられています。この炭素が大気中に放出されると、ダイヤモンドの雨を降らせるのです。
12. 私たちの太陽系には、ほとんどの彗星と同じように、尾があります。2013年7月、NASAの星間境界探査機によって、科学者は初めてヘリオテイル【太陽圏の尾】を垣間見ることができました。長年、太陽圏の尾は様々なモデルや理論によってのみ説明されてきましたが、今回初めて、太陽圏の尾の詳細な様子を見ることができたのです。
13. 現代の恒星理論では、宇宙には3種類のブラックホールが存在するとされています。超巨大ブラックホール、恒星質量ブラックホール、マイクロブラックホール(あるいはミニブラックホール)です。星と同じように、宇宙に存在するブラックホールの量を数えることは不可能です。しかし、幸いなことに、地球や太陽系全体は、既知のどのブラックホールも私たちに危害を加えることができないほど遠くにあるのです。
14. 平均すると、毎年2〜5回の日食が起こっています。グレゴリオ暦の登場以来、1年に5回の日食が1693年、1758年、1805年、1823年、1870年に起こり、最近では1935年に起こりました。
15. 太陽系で最も遠くの惑星、天王星と海王星は、太陽系で最も研究が進んでいない惑星です。この二つの惑星へは、1986年と1989年にボイジャー2号が一度ずつ訪れただけです。現在、この2つの惑星への宇宙ミッションは承認されていませんが、NASAの旗艦プログラムのもとで打ち上げられるかもしれません。
16. 私たちの惑星は、他の惑星と同じように楕円軌道で太陽の周りを回っています。
17. 小惑星帯の中で最大の天体は、矮小惑星ケレスです。
18. 深宇宙(主に小惑星帯)から飛来する数百万個のメテオロイド【流星物質】は、毎日地球の大気圏を通過していますが、地球の大気圏下部に突入する前に破壊されるため、地上に到達するのはごく僅かです。
19. 初めて宇宙へ行った犬のライカは、ロシアの宇宙船スプートニク2号が4回目の軌道に乗ったとき、船室のオーバーヒートで死んでしまいました。
20. 空間には空気がないため、音波は空間を伝わることができません。ですから、何をやってもそこで音を出すことはできません。一方、電波や光波は空気を必要としないので、観測することができます。
21. 「オールトの雲」は、主に太陽の周りを回る冷たい小惑星で構成されています。この巨大な領域は、太陽系の宇宙論的境界と定義されています。
オールトの雲から太陽系の他の場所までの距離を示す図
22. 月は、1年で約5cmの一定の速度で、地球から遠ざかっています。
23. ある科学者グループが、太陽を血球の大きさに例えました。もし太陽が血球の大きさだったら、天の川全体はアメリカ合衆国の大きさになると見積もっているそうです。
24. 2015年に自然衛星を伴う小惑星が発見され、太陽系がこれまで以上に興味深いものになりました。この小惑星は、(357439)2004 BL86と命名されました。
25. 火星の砂嵐は数ヶ月間続きますが、これは太陽系では最大です。
26. 最新の宇宙服の価格は約1,200万ドル【約16億2,118万円】で、重さは20〜21kg以上あります。
27. 宇宙では、宇宙飛行士は自分の膀胱を感じることができません。そのため、いくつかの問題が生じます。そのため、一定時間ごとに排泄するように訓練されています。
28. 地球の軌道上に送られた最初の宇宙ステーションは、1971年4月に打ち上げられたソビエトのサリュート1号です。
29. 月には大気も風もないため、1969年にニール・アームストロングが残した足跡が今も完全に保存されています。
30. 太陽系最大の山は火星にあり、オリンポス山と呼ばれています。地表からの高さは8万フィート【約24万メートル】以上です。
31. 1930年の最初の発見以来、冥王星は太陽系で最も遠い惑星として認識されていましたが、それは2006年に取り消されました。カイパー・ベルト【星周円盤の一種】やその先に冥王星に似た天体が多く検知されたため、IAUは冥王星を矮小惑星に再分類することを余儀なくされたのです。
カイパー・ベルト天体
32. 近代的な望遠鏡が登場する以前は、天文学者はガス惑星(太陽系外惑星)までしか見ることができず、それが太陽系の限界だと考えられていました。しかし、20世紀半ばになると、太陽系の限界は天文学的に拡大されました。科学者たちは、太陽が恒星や他の宇宙物体に対して重力の影響を失くす限界は、実際には2光年まで広がっていると考えています。
33. 惑星と同じように、太陽系も天の川銀河にある他の星と一緒に銀河の中心部を回っています。様々な研究によると、太陽系は2億5千万年で銀河の中心部を1周し、その軌道を平均時速83万kmで移動しているそうです。
34. 地球の大気と宇宙を隔てる境界線は、カーマン・ラインと呼ばれています。海面から見て、標高100kmの地点にあります。参考までにですが、上層大気で最も高い雲は高度75〜85kmの中間圏に形成されます。この境界線は、宇宙工学・航空工学の国際的な記録・基準設定機関である国際航空連盟にも認められています。
35. 天文学者のカール・セーガンによると、私たちの血液中のDNAや骨の中のカルシウムなど、すべてのものは星屑でできているということです。また、地球上の生命は星屑によって誕生したと考えているそうです。