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太陽系での物質の動きを解明する

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本記事は、Scientists Uncover How Matter Behaves In The Sun’s Atmosphere
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約1分55秒

・科学者は太陽大気中のプラズマがどのように不安定になるかを解析しています。

・宇宙から電波望遠鏡や紫外線カメラを使って、プラズマの放出に伴う太陽フレアの観測を行いました。

 

太陽系でエネルギッシュな現象のひとつに、太陽フレアがあります。これは、太陽の大気中にある磁気エネルギーが突然解放されることで発生します。太陽の表面には、プロミネンスと呼ばれる巨大な磁気ループが存在します。それらが接触すると、それらが接触すると、互いに回路をショートさせ、爆発を起こします。

 

太陽フレアは、高エネルギーの光子と粒子からなり、太陽から短時間に放出されます。数十分間に約1025ジュールの磁気エネルギーが放出されます。太陽フレアは、物質の4つの基本状態の1つであるプラズマの放出と密接な関係があります。電気を帯びていて、非常に不安定な液体です。

 

私たちの身の回りにある物質は、気体、液体、固体のいずれかです。しかし、宇宙の大部分には、この4番目の基本状態になっている物質が含まれています。私たちの太陽は非常に高温で、ガスのほとんどはプラズマです。

 

この物質形態は希少で、私たちの地球上ではあまり知られていません。科学者たちは、実験室で宇宙の極限状態を再現しようとしましたが、人工的な実験室では正確なデータを得ることができません。

 

このほど、国際的な研究チームが、太陽の大気中で物質が実際にどのように動くかを説明する重要な発見を発表しました。この結果は、宇宙に設置された電波望遠鏡と紫外線カメラで得られたデータに基づいています。

 

太陽電波パルス

太陽の大気は、プラズマの温度が100万℃になったり、粒子が光速に近づいたりと、さまざまな極限活動が起こっています。この光速の粒子は電波の波長で光るため、研究者は電波望遠鏡を使ってプラズマの動きを監視していました。

 

フランス中部にある電波望遠鏡とNASAのソーラーダイナミック観測所の紫外線カメラによる観測を組み合わせました。その結果、太陽プラズマはしばしば揺らぎのある電波を放出していることが明らかになりました。

 

プラズマの大爆発 |画像元: NASA

 

この現象は何年も前から知られていましたが、地上と宇宙の観測装置を用いて電波パルスを詳細に観測したのは、今回が初めてです。これにより、太陽のプラズマがどのように不安定になるのか、研究者たちが理解することができました。

 

この研究の意義

太陽大気中のプラズマの動きを研究することは、既存の核分裂炉よりもはるかにクリーンで安全で効率的に磁場を閉じ込められる核融合炉を作るための新しい方法を見つける事になります。

 

核融合反応は、非常に高い温度と強い重力で行われます。原子をバラバラにする核分裂反応とは異なり、プラズマの原子を融合させるというものです。核融合は、核分裂反応よりも安全で、安定していて、はるかに高いエネルギーを放出します。燃料には水素同位体を使用し、反応による放射性物質の発生は極めて少ないです。

 

しかし、核融合プラズマを安定した状態に維持したままエネルギーを得ることは極めて困難であるため、実用化されている原子炉はすべて核分裂を利用したものです。太陽大気中でプラズマがどのように不安定になるかを分析することで、地球上でプラズマを制御するためのプロセスを解明することができます。

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