・MAMBO-9は重力レンズを使わずに発見された最も遠い銀河です
・アタカマ大型ミリ波・サブミリ波アレイを介して直接観測されました。
・ビッグバンからわずか9億7千万年後に誕生した銀河です
ダストは星が出来る際の副産物なので、星形成が盛んな銀河がどこにでもあるということは、ビッグバンから数十億年の間、ダストが豊富な系が一般的であり、宇宙の星形成プロセスを支配していたことを意味しています。
これらの星形成の際のダストの検出は証明することがとても難しいです。それらはとても微かなものであり、距離の特定がエラーの課題となっています。
全ての遠くの銀河は宇宙の初期にできたものですが、研究者達は、私たちの宇宙がまだ10億年未満であった頃に見られたいくつかのものを特定することに成功しました。
近年、オースティンのテキサス大学の天文学者がビッグバンからわずか9億7千万年後に誕生した古い銀河にスポットライトを当てました。それは、重力レンズを使わずに発見された最も遠い銀河です。
MAMBO-9という名のその銀河は、アタカマ大型ミリ波・サブミリ波アレイ(ALMA)を介して直接、チリ北部にある66台の電波望遠鏡で構成された最も複雑な天文観測所で観測されました。宇宙の歴史の初期に形成されたダスト状の星形成銀河を検出するために特別に開発されたものです。
このような古く、ダスト状の銀河は極端な行動を見せ、宇宙の進化に重要な役割を果たしています。しかし、星影は深い雲のダストの中に隠れ、最新のシステムでも特定が難しいのです。
この発見の何が注目なのでしょうか?
マックス・プランクのミリ波干渉計アレイはフランスのビュール高原干渉計に設置されており、スペインのIRAM 30m望遠鏡でMAMBO-9からの光は10年前にすでに検出されていましたが、銀河の距離を測るのに不十分でした。また、観測結果は他の望遠鏡で複製することができませんでした。
ALMAの初期のサブミリメータ望遠鏡よりも高い感度と高い解像度で、研究者達はMAMBO-9の距離を明らかにすることができました。2013年以来最も高級な地上型の望遠鏡です。
この観測が唯一無二なのは、研究者がこれまでに発見した中で、最も遠くにある塵の多い銀河を遮るものがない状態で観測したことです。
一般的に、最も遠くの銀河からくる光は天の川付近の他の銀がの影響を受けます。つまり、その他の銀河が、重力レンズの影響でより遠くの銀河からの光を曲げるのです。レンズの効果は機械が天体の距離を測定するのを簡単にしていますが、形を歪めます。
今回は天文学者たちはレンズを使わずにMAMBO-9を観測しました。彼らは銀河のダストとガスの質量も測定し、私達の銀河系のすべての星の質量の10倍あることがわかりました。MAMBO-9は(画像でみる限り)2つに分かれており最終的に合体します。
私達が見ている光は約130億年前から届いたものです、つまり今観測しているものは既に過去に起きたものなのです。今はMAMBO-9は恐らく天の川の100倍の星があるでしょう。
研究チームはALSMを使ってより銀河の詳細を調べてどのように進化したのかを解明しようとしています。この発見は科学者が私たちの宇宙をよりよく理解し、遠くの銀河についてさらに論理的な質問をするのに役立つでしょう。