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ロケットについて深掘りしてみよう!推進力と用途に基づく7種類を紹介

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本記事は、7 Different Types of Rockets | Based On Propulsion And Their Usage
翻訳・再構成したものです。
配信元または著者の許可を得て配信しています。

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読了時間 : 約8分5秒

ロケット推進は魅力的な技術です。航空機を空中で動かすのに十分な推力を生み出す技術です。ところで、ロケット技術が13世紀に中国によって発明されたことをご存知でしょうか?

 

もちろん、当時のロケットは宇宙船の打ち上げ用ではなく、軍事目的に使われていました。世界初のロケットランチャー【ロケット弾を発射する兵器】が登場したのは1380年のことで、これは明王朝が作った「スズメバチの巣」と名付けられた火矢発射装置でした。

 

ロケットが工業や科学に使われるようになったのは20世紀半ばのことです。実際、地球の大気圏を脱出できるほど高く飛べる最初のロケットは、1942年にドイツによって初めて打ち上げられました。1957年、ソ連は最初のロケットを打ち上げ、最初の人工衛星(スプートニク1号)を楕円形の地球低軌道に乗せました。

 

それ以来、宇宙機関や研究所は効率的な推力を得るために、数多くのロケットやミサイルの技術を開発してきました。この記事では、過去70年間に人々の注目を集めた代表的なものをご紹介します。

 

では、実際にロケットにはどれくらいの種類があるのでしょうか?基本的に、ロケットは、推進力に基づくもの、用途に基づくもの、の2つに大別されます。

 

 

推進力に基づくもの

 

1. 固体燃料推進ロケット

 

2基の固体燃料ブースターの助けを借りて打ち上げられたスペースシャトル「コロンビア」
画像出典:NASA

 

古い花火ロケットはすべて、固体推進剤を使用する固体エンジンを動力源としていました。しかし、現在では新しい設計、より高度な燃料、固体推進剤を使った機能が登場しており、先進状態の固体推進剤エンジンは、主にデルタ・シリーズのブースター・ステージとスペースシャトルのデュアル・ブースター・エンジンに使用されています。

 

固体推進剤には多くの化合物があり、例えば黒色火薬(木炭、硫黄、硝酸カリウムを含む)、亜鉛硫黄、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムや過塩素酸アンモニウムをベースにした複合推進剤などがあります。

 

こういったロケットは短時間に確実に発射することができ、固体燃料を長期間貯蔵できるため、軍事用途によく使われます。ナイキ・ハーキュリーズやオネスト・ジョンのような小型ミサイルや、ヴァンガードやポラリスのような大型弾道ミサイルには、固体燃料エンジンが使われています。

 

これらのロケットは比較的低コストで高い推力を得られるものの、現代の液体燃料ロケットほど効率的ではありません。地球低軌道に2トンまでのペイロードを打ち上げるのにしか使えないのです。

 

2. 液体燃料ロケット

 

液体燃料ロケットの概略図
画像出典:Nicholas W. Beeson

 

その名が示すとおり、液体燃料ロケットは推力を発生させるために液体推進剤を使用しています。固体推進剤とは対照的に、液体推進剤は単一または2つの化学物質(二元推進剤)で構成されています。液体推進剤は密度が高く、ロケットの質量比が高いため、主に固体推進剤よりも好まれます。

 

不活性ガスは、推進剤を燃焼室に送り込むために、非常に高い圧力でエンジン・タンクに貯蔵されます。エンジンの質量比は低いものの、信頼性が高いため、主に人工衛星の軌道維持に使われます。

 

液体燃料ロケットはさらに、単元推進ロケット(推進剤が1種類)、二元推進ロケット(推進剤が2種類)、より高度な三元推進ロケット(推進剤が3種類)の3つのグループに分類できます。

 

最もポピュラーなものは、液体燃料(炭化水素または液体水素)と液体酸化剤(液体酸素)で動く二元推進ロケットです。酸化剤も燃料も低温で液体になった気体である極低温エンジンを使うこともできます。

 

このようなロケットの最初の飛行は、1926年にロバート・H・ゴダード教授が液体酸素とガソリンを推進剤とするロケットで実験したときに記録されています。

 

ソ連の人工衛星スプートニクが液体燃料ロケットによって宇宙へ推進され、アメリカのアポロ11号がそれに続いたことをご存知でしょうか?

 

3. プラズマ推進ロケット

 

プラズマ推進エンジン(1961年)
画像出典:NASA

 

プラズマ推進エンジンでは、準中性プラズマ(イオンと電子が同数集まっている状態)から推力を発生させます。これは電気エンジンの一種で、(プラズマ内部で発生する)電流と電位を利用してプラズマ中の荷電粒子を加速させるものです。

 

ここ数十年の間に、イラン宇宙庁、オーストラリア国立大学、欧州宇宙機関など、多くの機関がプラズマ燃料エンジンに取り組んできた、あるいは現在取り組んでいます。

 

プラズマ推進ロケットは、性能理論がシンプルで燃料が安価(多数の気体やその組み合わせが燃料として使用可能)なため、簡単に製造でき、何度も使用することができます。従来の化学ロケットとは異なり、燃料を一度に使い切ることがないため、飛行中の使用も容易です。

 

しかしながら、プラズマ推進ロケットの最大の問題は、気体をプラズマに変換するのに十分な電力を生成することです。また、推力が比較的小さいため、重い衛星の打ち上げには適していません。プラズマ推進ロケットが生成できるのは、平均的して約1/2キログラムの推力です。さらに、プラズマ推進器の場合、ロケットが自壊する可能性が常にあります。

 

VASIMR(Variable Specific Impulse Magnetoplasma Rocketの略【比推力可変型プラズマ推進機】)は、電波の助けを借りて推進剤をプラズマにイオン化する、最新のプラズマ燃料ロケット推進エンジンです。プラズマ推進エンジンの多くの利点のひとつは、他のどのタイプのロケットよりも比推力(Isp)が高いことです。

 

プラズマ推進エンジンはまだ商業的に完全に利用されているわけではありませんが、すでに小規模なものがいくつか実用化され、テストに成功しています。2011年、NASAはマサチューセッツ州の推進会社とともに、史上初のホールスラスタ(プラズマ)をTacsat-2実験衛星に搭載して宇宙に打ち上げました。

 

4. イオンロケット

 

NASAのジェット推進研究所で行われたイオンエンジンの試験燃焼

 

イオンスラスタは、電流を使ってプラスイオンを加速させる電気推進のもうひとつの形態です。具体的には、静電気力や電磁力を利用してイオンを加速し、推力を発生させます。

 

イオンスラスタは、電子を付加/除去することで推進剤をイオン化し、イオンを発生させます。キセノンは、そのイオン化能力と原子質量が大きいため、主に推進剤として使用され、イオンが加速されたときに十分な量の推力を生成します。

 

キセノンは不活性ガスで貯蔵密度が高いため、宇宙船に効率よく貯蔵することができます。ほとんどのイオンスラスタは、電子を生成するために熱電子放出として知られるプロセスを使用します。

 

イオンエンジンは、エンジン外部にイオンが存在する地球の大気圏内では作動しません。顕著な空気抵抗に打ち勝つことはできず、宇宙空間の真空でのみ機能します。現在、イオンスラスタ(NASAが設計)は、100基以上の静止通信衛星を適切な位置に維持するために使用されています。

 

史上初めてイオンスラスタを使った深宇宙ミッションに成功したのは、NASAのディープ・スペース1号(1990年)でした。その後、JAXAが2003年に打ち上げた探査機「はやぶさ」は現在も運用されています。

 

現在、NASAは宇宙船の運用寿命を延ばし、運用コストを削減するために、環状エンジンとNASA進化型キセノン・スラスタという2種類のイオンスラスタの開発に取り組んでいます。

 

 

用途に基づくもの

 

1. ロケットカー

 

オペル RAK.2
画像出典:Späth Chr.

 

ジェットカーは聞いたことがあるかもしれませんが、ロケットカーはいかがでしょうか?ジェットエンジン車とは対照的に、ロケットカーは燃料と酸化剤の両方を搭載するため、コンプレッサーや空気吸入口が不要となり、その結果、総重量が軽減され、空気抵抗を最小限に抑えることができます。

 

ロケットカーは短時間(20秒以下)でエンジンを作動させることができ、推力重量比が優れているため、素早く高速に達することができるのです。

 

ロケットカーはかつてアメリカのドラッグレース界で人気を博したものの、過酸化水素の価格が大幅に上昇したため、その優位性は失われ、最終的には安全上の理由から国内で禁止されました。しかし、ヨーロッパの一部ではまだ稼働しています。

 

2018年、テスラモーターズ社はロケット動力でアシストするロードカーの製造計画を発表しました。ロードスターモデルのオプションパッケージとして提供される予定です。同社は、加圧/圧縮空気を使用して性能を高める推進装置(コールド・ガス・スラスタ)を統合することになります。

 

2. ロケットパック

 

ロケットパックのコンセプトは100年近く前のものですが、普及したのは1960年代になってからでした。これは低出力の推進装置で、個人をある場所から別の場所へ小距離移動させるものです。

 

ロケットパックは通常、過酸化水素を燃料として人を空中に推進させます。しかし、この技術は1950年代からほとんど進歩していません。全体の質量比が、飛行時間を数秒に制限する主な原因となっているようです。

 

酸素と蒸気で動く軽量エンジンはそれなりの推力を提供できるものの、ロケットの排気速度は比較的低く、したがって比推力も弱いのです。既存のジェットパックは約30秒しか飛行できず、最高速度は時速120キロ程度です。

 

ジェットパックは、灯油ベースのジェット燃料を燃料とするターボジェットエンジンを搭載することもできます。より高い高度を達成し、数分間というより長い時間の飛行が可能ですが、組み立てが難しく、高価です。今のところ、1960年代に飛行試験を行った1機だけが実用化されています。

 

3. ロケット動力付き飛行機

 

X-15航空機
画像出典:NASA

 

ロケットエンジンは飛行機にも使用できます。ロケット飛行機は同じような大きさの飛行機よりもはるかに速い速度を出すことができますが、それはわずかな距離に限られます。また、大気中の酸素を必要としないため、高高度飛行に最適です。

 

ロケット飛行機は、第一次世界大戦中にドイツ軍によって最初に設計されました。しかし、これらの初期設計にはいくつかの深刻な性能上の問題があり、後の1950年代にイギリスのエンジニアがより効率的なターボジェット設計を考案した際に修正されました。これらの設計は、より短い離陸とはるかに高い加速を実現しました。

 

ロケットエンジンは推進剤を大量に使用するため、主に迎撃機や宇宙機に使用されています。X-15は、ロケット動力付き飛行機の最も有名な例のひとつです。独特のくさび形の垂直尾翼と短い主翼を持つミサイル型の機体で、ノース・アメリカン・アビエーション社によって製造されました。運用期間中に、高度354,200フィート、時速4,520マイルの記録を打ち立てています。

 

もっと知りたい

近代ロケット推進技術の父とは?

ロバート・H・ゴダード教授が、現代ロケット推進技術の父と言われています。彼は1912年にロケット科学の研究を始め、従来の固体燃料ロケットを次の3つの方法で改良できることを発見しました。

 

・燃料を(大きな推進剤タンクではなく)小さな燃焼室で燃やす
・ロケットの多段化
・ラバール・ノズル(非対称の砂時計形)により、ロケットの排気速度を大幅に向上させることができる

 

彼は1914年にこれらのコンセプトの特許を取得し、固体ロケットの研究を開始しました。数年後には、アメリカ陸軍信号隊に小型戦場ロケットのデモンストレーションを行っています。1921年、高密度・高比推力の液体燃料ロケットの研究を開始しました。

 

1926年、世界初の液体燃料ロケットを打ち上げ、ロケット技術と革新の新時代を築きました。1926年から1941年の間に、彼のチームは34機のロケットを打ち上げ、最高高度1.6マイル、最高速度550マイルを達成しています。

 

宇宙に打ち上げられた最初のロケットは?

V2ミサイルは宇宙に行けるほど高く飛べる最初のロケットでしたが、実際に宇宙に何かを打ち上げたロケットはスプートニク8K71PSでした。

 

1957年、スプートニク8K71PSはスプートニク1号と名付けられた最初の人工地球衛星を打ち上げました。このロケットはソ連の宇宙開発計画によって開発されたもので、宇宙開発競争中に最初の男性と女性も軌道に打ち上げたのです。

 

ロケットの重要な部品とは?

ロケットは次の5つの部品に分解できます。

 

1.構造系(ノーズコーン、胴体、フィンを含む)
2.ペイロード(気象観測や宇宙探査用の衛星など)
3.機体を操縦する誘導装置
4.推力を発生させるエンジン
5.灯油や液体水素などの推進剤

 

ロケットとミサイルの市場規模

Allied Market Research社のレポートによると、世界のロケットとミサイルの市場は2031年までに820億ドルに達し、2023年から2031年までの年平均成長率は4.2%で成長する見込みです。

 

この成長の主な要因には、極超音速ミサイルシステムの採用の増加、自動標的ミサイルシステムに対する嗜好の高まり、および世界中の防衛予算の一貫した増加が含まれます。

 

中国、アメリカ、ロシア、インドなどの大国の政府は、軍事資源の近代化に多額の投資を行っています。ロッキード・マーチン社、レイセオン・テクノロジーズ社、ノースロップ・グラマン社など、この業界の大手企業に対し、研究開発費を増やし、高度なロケットとミサイルの技術を開発するよう促しています。

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