数十年間、天体物理学者はブラックホールや宇宙の起源まで宇宙のあらゆる側面を研究してきました。ですが、まだ不十分でした。宇宙の先に何か存在することは可能なのでしょうか。
この質問に回答するためには、まず宇宙の定義をしなければなりません。宇宙という言葉のほとんどは、現在地球から観測できる範囲の宇宙を意味しています。光年で定義されます。
ここでの観測可能は遠くの物体から光を特定する現代の機器を意味しているわけではなく、光年自体による物理的境界を意味しています。光より早く動くものはないため、宇宙が存在する時間(137億年)の間に光が進む範囲を超えて、地球から遠く離れたものを観測することはできません。
計算によると、観測可能な宇宙の直径は93億光年もしくは、28.5ギガパーセックとされています。宇宙が13.8歳なのであれば、宇宙が930億光年もあるとは思えない、と思っているのではないでしょうか。
ひも解いていきましょう。ハッブルの法則によると、極端に遠い領域は光の速さより早く広がりますが、特殊相対性理論は2つの至近距離の物体は光の速さより早く動くことはできないとしています。そのため、光の速さより早く動く物体ではないですが、その間には空間があります。
もし宇宙の端に向かって光の速さより速く移動できれば、宇宙の端をみることができます。しかし、この答えは「ノー」です。なぜなら、端が存在しないからです。私達は私達の宇宙が等方性に拡張していると知っていますが、どこに向かって拡張してるのでしょうか。
多元宇宙論
それぞれの宇宙は多元宇宙の虚空に固定された泡のような場所で、実際は一つの宇宙だと想像してみてください。それぞれの泡は自身のビッグバンで拡張していき、それぞれ物理の法則を持っています。奇妙なように聞こえるかもしれませんが、興味深いものがあります。
偶然にこれらの泡の宇宙の2つが十分に接近して相互作用を開始し、第1の宇宙の中から第2の宇宙が検出されるようになれば、この仮説を証明することができます。天文学者は宇宙空間に私達の宇宙が他の宇宙と関連しており、それぞれ特徴をもっている何らかのサインを探しています。
宇宙のマイクロ波背景やCMBを調査した後、科学者たちは様々な地域に温度変動を発見しました。ほとんどの温度変動は一時的な宇宙論によって説明される一方で、「コールドスポット」と呼ばれる1つの地域があり、既存の理論に反しています。
奇妙な理由で、「コールドスポット」の温度は、平均温度の2.7kよりも冷たく約70µK(マイクロケルビン) です。小さい地域では問題ではないかもしれませんが、広い地域を覆っており、それは1億光年です。南半球のエリダヌス座の方向に(地球の南半球と混乱しないように)位置しています。多くの研究者が宇宙の悪の枢軸と呼んでいます。
「コールドスポット」を説明するため、天文学者はいくつかの理論や仮説を考えてきました。ある仮説は、スーパーボイド仮説でこの異常は我々とCMBの間の方向に巨大な虚空があるために起こると提唱しています。他の可能性のある説明は宇宙質感仮説です。
しかし、最も素晴らしく議論を呼んでいるのは、「コールドスポット」は実際私達の宇宙と他の宇宙の衝突によって起き、その場所がまさに相互作用の場所であるというものです。この仮説は近年有力になっています。
2017年、ダラム大学のトム・シャークス教授が論文であの大きな虚空は「コールドスポット」のサイズを説明することはできないと述べています。更に、通常モデルによる他の説明も除外できないとしています。それらの答えを出せない状況では、我々の宇宙と別の泡の宇宙との衝突という、よりエキゾチックな説明を考えなければなりません。