一般的に、WEBデザイナーは仕事へかなりの情熱を注いでいます。これは他の業界と比べると対照的ですが、収益に関して言えば周りのビジネスと全く変わりありません。重要なのは顧客の獲得と、満足の得る暮らしを送ること、の2点です。
予算に合わせて大口顧客と契約を結ぶ話はよくありますが、それは必ずしも現実的ではありません。
とりわけ仕事を始めたばかりのフリーランスのデザイナーには難しい話です。経験豊富なプロでさえ、大型プロジェクトを受けたがらないこともあるのです。
それでも、大きい仕事を求めることは一般的な見解であるようです。では小規模なプロジェクトは価値がないのでしょうか?そんなことはありません。そこから得られる重要な点はまだまだあります。ここでは、なぜこうした小さな仕事も大切する必要があるのかの理由をいくつか述べたいと思います。
顧客関係の構築
経営者が向きわなくてはならない大きな課題の一つは、人との関わり方です。これは才能のあるデザイナーや開発者であるのと同じくらい重要だと言えるでしょう。
どのプロジェクトもそれぞれ内容が異なるように、クライエントもそれぞれ違うのです。これは、あなたがキャリアを築く過程で様々な人と関わっていくことを意味します。
私自身、事業を立ち上げた直後はあらゆる種類の小規模プロジェクトを引き受け、その中で様々な人たちと関わってきました。当時は思ってもみませんでしたが、今振り返ると素晴らしい機会でもあったのす。
もちろん大金は稼げませんでした。けれどもクライエントとどうコミュニケーションを取るべきかの重要な教訓を学んだのです。
ここでわかったことは、ユーザーフレンドリーな言葉で説明をすることと、プロジェクトの進捗状況を随時報告することです。
また、クライエントの期待は何か、また批判をどう受け止め、対処するかの貴重な見識を得ることができました。
大変であったことは事実です。多くのストレスや心配を抱えました。もう少し上手く物事を運べたのかもしれませんが、その経験自体はとても貴重なものでした。仕事上での人間関係構築を学ぶことは、個人的、また仕事上両方での成長の鍵となるのです。
スキルを磨くチャンス
WEBデザイナーが新しいスキルを学べる機会は沢山あります。
しかし、そのスキルを実践に繋げるには、何かを構築する必要があります。小規模なプロジェクトは、こうしたスキルの実践練習に最適なのです。
1つは、期待値をクライエントの予算と同等レベルにすることです。(ただし、これをクライエントに説明することが重要です)例えるのであれは、低価格なeコマースでは機能とカスタマイズも少なくする必要があるということです。
これにより小規模なものから始めて、現在取り組んでいるサイトの基礎理解を深めるのです。
また実験的な開発環境としても役立ちます。予算が限られているなかで、手が込んだスクリプトやプラグインを入手するのは難しいことです。となれば、自分自身でコードの研究をし、仕事を成し遂げなければいけなくなるかもしれません。しかしそれは物事がどう機能するのか理解する素晴らしい方法でもあるのです。
自分自身を知る
プロジェクトの経験を積めば積むほど、自分自身についてよく知ることができます。どんなプロジェクトが好きですか?どんなワークフローが合っていますか?
これらは大きな仕事に進む前に学ぶべき貴重な教訓です。なぜなら業界内での自分自身の適所を理解しないことには成功は目指しにくいからです。
どうアプローチしていくのかもわからず大規模なプロジェクトに取り組むのは好ましくありません。どのツールを使うのかも知らず、またそもそもその仕事自体に満足できるのかもわからないままプロジェクトに取り組むことは、災いを呼んでいるのも同然、悪い状況に陥る可能性が出てきます。
小規模なプロジェクトは依然としてよく検討する必要がありますが、ある種のガイドラインとして利用できます。必然的に、他と比べて好きな要素が何かが見えてきます。もしかすると、会員制のサイトがあなたの好みでないとわかると同時に、SEOに夢中な自分自身に気が付くかもしれません。
好みが何であれ、ゴールは自分自身の適所を見つけることです。これには時間がかかりますし、様々な異なるプロジェクトに取り組む必要もあります。小さな仕事を受けることは自分自身の発見に繋がるのです。
お金より大切なこと
小規模なWEBデザインプロジェクトだけで大金が稼げることはまずありません。そのため多くのデザイナーは長期的に高い目標を掲げます。しかしそこに価値がないということではありません。まったく逆なのです。
スペクトルの下限値でWEBサイトを構築することで、ブランド力の向上に繋がり、仕事で成果を上げられ、自分自身の居心地の良い分野を見つけることができます。
その分野に永遠にとどまる必要はありませんが、そこにいる間は最善を尽くすべきです。それは今後の準備に役立つはずですから。