昨今ビジネスはますますオンラインの影響力に依存するようになっており、効果的なWebサイトへのプレッシャーもいよいよ高くなっているのはご承知のとおりです。
ところで、起業家やノン・テクのビジネスパーソンの中には、Webデザインについて正しいとは言えない考えを持っている人も多いようで、そのような誤解とうまく付き合うことも、デザイナーが上手にやっていくための必須スキルになってきています。
そこで本記事では、ノン・テクのビジネスパーソンに共通してみられるWebデザインについての間違った理解をまとめてみました。
誤解から実害をこうむったときの対処の参考にしてください。
1.Webデザインは簡単にできる
いちばん厄介な誤解のひとつが、Webデザインが簡単だ、というものです。
たしかにきれいなWebサイトはどれも洗練されていて使いやすいですが、しっかりと時間をかけて作らなければそうはなりません。
ボタンや機能の一つひとつのために、何時間も何時間もかけてコードを書いているのです。レイアウト一つとっても、創造力とブランド理解が問われます。グラフィックの作成には逐一調査が必要です。
シンプルに見えてもたくさんの時間と努力が注がれているのです。
ましてや作り込まれた複雑なWebサイトには膨大や予算がかかります。Webサイトを見る際にはそうした時間や労力やお金にも、思いを馳せてみて欲しいものです。
2.デザイナーはこちらの要望の一つひとつに迅速に対応すべき
Webデザイナーの多くはWebデザインが好きで仕事を選んでいますが、もう一つ大きいのが自分で時間を決めて働けるということです。人によって仕事をしている時間帯が違うことに注意してください。
しっかりした人であれば、自分がどんなスケジュールで仕事をしているのか教えてくれます。デザインチームが夜に活動しているなら、朝の8時にメールを送ってもすぐに返事はきません。日曜日が休みなら、連絡は月曜日になってからしましょう。相手の時間や働き方も尊重しながら連絡をとることを意識してください。
3.何かあれば全員に逐一連絡しなければならない
全員で進捗状況を共有するのは大事ですが、だからといってすべての会議に全員が参加しなければならないわけではありません。
役割や仕事によっては無関係の人もいるでしょう。仕事に必要なことさえ連絡されていれば、あとはそれぞれの仕事に集中できるよう配慮すべきです。
時間とコストの削減にもつながりますよ。
4.サイトが完成したから私の仕事もおしまい
Webは常に変化しているので、トレンドや主流の技術に合わせて定期的にアップデートしていく必要があります。
Web開発者はリンク切れやUX、機能をこまめにチェックするのも仕事のひとつです。トップレベルのサイトを維持したいのであればなおさらです。
Web開発を行う際は、半永久的に続く資産を作るのだという意識が必要です。
5.デザイナーはこちらの言うことをきくべきだ
依頼人の多くは、自分に裁量があるものと考える傾向にあります。お金を支払っているので、そう考えるのも無理はないでしょう。
ですがWeb開発者というのは、技術と創造性を追求してきたデザインの専門家です。
フィードバックは必要ですが、あまり干渉しすぎないように気を付けましょう。何をすればユーザがアクションをとってくれるのか、技術や知識を蓄積してきた専門家を信じましょう。
6.サイトが完成したから、きっと閲覧者が殺到するだろう
機能もデザインも完璧なWebサイトができたから、あとは何もしなくても閲覧者が大量にやってくる…なんてことはありません。
Webサイトはあくまでマーケティングの「場」です。そもそもユーザがサイトにたどり着かなければ話になりません。
デザイナーの仕事はサイトの機能とUXを保証することで、サイトのプロモーションまで行うわけではありません。効果的なマーケティングと一緒になって初めてWebサイトはその力を発揮するのです。
7.Webサイトは誰にでも作れる
簡単にWebサイトを作成できるツールが出てきたせいか、誰でも簡単に素晴らしいWebサイトが作れるという誤解が増えてきました。
スタートアップや小さなビジネスには良いかもしれませんがWebデザインはそんなに浅いものではありません。クライアントのニーズに応えるために、サイトにはDIYプラットフォームでは提供できないような、デザイン以上のものが詰め込まれているのです。
8.競合のWebサイトをそのまま真似しよう
「競合のウェブサイトがとても効果的みたいだから、それを真似しよう」という安易な考えはおすすめできません。
参考になるエレメントはあるかもしれませんが、テンプレートとして使うのはNGです。デザイナーの仕事はあなたのビジネスに合ったサイトを提供することですから、競合から学ぶべきものは学びつつ、自分に合ったものをお願いしましょう。
9.Webデザインはそこまでお金がかからない
いちばん腹立たしい誤解がこれです。
シンプルなWebサイトは素人目には簡単そうに見えて、実はとてつもない努力と才能と経験が必要です。残念ながら良いWebサイトを作るにはどうしてもお金がかかってしまうことを理解していない人がかなりいます。ブランドや会社をアピールするための投資だと思ってください。何より、払った以上のものを提供されることはありません。
いかがでしたか。
「あるある」だと感じた方も多いのではないでしょうか。
このような誤解に直面したときに腹を立てずに余裕をもって対処するためにも、日ごろから「慣れて」おくことが必要と思われます。
上述のコメントも参考に、普段から誤解を解くためのクールなロジックとレトリックを見つけておきましょう。
※本記事は、Common Misconceptions About Web Design & Developmentを翻訳・再構成したものです。