ある研究によれば、UXデザインを重要視している米企業はここ10年間、そうでない企業と比べて倍以上の業績を達成しています。
どんな業界であっても、UXデザインに投資することで製品をより効果的にアピールすることができます。
アップルをはじめコカコーラ、フォード、IBM、P&G、スターバックス、ディズニー、ナイキなどがこうした企業の代表例です。
では、どうしてこれら企業が競合他社よりも高い成績を達成することができるのでしょうか?その理由を5つご紹介します。
-
1.デザインを見た目以上のものとして重視している
UXデザイン重視の企業は、製品の見た目だけを気にしている訳ではありません。その製品における顧客満足度や使用者の喜びなども重要視しています。たとえば詳細な説明書がなければ使えないiPhoneは優れた製品とは言えません。ユーザーに寄り添わない、ひどい体験をもたらす製品は悪いデザインと位置付けられるのです。
-
2.製品ではなく体験を売っている
iPhoneやBMWの自動車を購入する際、人々は製品だけを買うわけではありません。それらを持つことで得られるアイデンティティや特別感を買っているのです。ブランドのアイデンティティがユーザーのアイデンティティとなり、製品自体がもたらす以上の価値を創出することに成功しています。そしてそのためには、製品開発の最初期段階からUXを念頭に置いておくことが必須となります。
-
3.「喜び」を最重要のKPIとしている
UX重視の企業は、直感的に使えることや嬉しい驚きなど、喜びや楽しさの体験を非常に大切にしています。会社全体がそこに集中すれば、そうした体験を生み出しやすくなります。しかし会社が一体となって取り組まなければ効果は薄くなるでしょう。
-
4.UXを企業理念としている
アップルやナイキ、IBMはどうやって優れた製品を生み出し続けることができるのでしょうか?ポイントは組織全体がデザインを重視していることです。たとえばアップルでは、全従業員はユーザーフレンドリーな製品を作り出すことに責任を負っています。組織自体が優れたUXデザインを提供するよう構築されているのです。このため、1つのチームがUXを重視するだけの企業よりも大きな成果を上げることができるのです。
-
5.顧客を理解している
デザイン重視の企業はポジティブなUXを作ることを重視しています。そのため、UXに関わる分野やデザイナーに大きな投資ができるのです。また製品開発中のあらゆる段階でフィードバックを集め、参考にしています。顧客の心理を分析し、顧客が求めるものに投資し、そうでないものは省くという割り切りもやりやすくなります。
このようにしてUXデザイン重視の企業は優れた製品を作り続けることができ、業績が向上するのです。全てを真似するのは難しいですが、少しでも参考にできるものがあればぜひ取り入れてみましょう。
※本稿は 「5 Reasons Why UX-Led Companies Are The Future」を翻訳・再編集したものです。