マーケティングとは要するに、まずなんらかのニーズに対するソリューションを提案・宣伝し、そのうえでそれを供給するツールを売るということです。そうすると、マーケターにとって大切なのは、人々が達成しようとしている仕事をよくよく見て、彼らの期待や見通しを理解しておくことになるでしょう。
実はUXもこれと同じように考えることができます。たしかにデザイナーの仕事は製品を売ることではなく作ることではあります。しかしデザインの仕事において、完成した製品は顧客にとって同時にソリューションです。
したがって、マーケティングの要素を考慮することが、UXデザイン成功の秘訣になるのです。
マーケティングがどう関係しているのか
ユーザの重要な情報をいちばん持っている可能性が高いのは、誰よりも顧客と接する時間の長い営業やマーケッターです。ところがユーザエクスペリエンスデザイナーは営業でもマーケッターでもなく、ソリューションを売るのではなく創るのが仕事です。では具体的に何をしていけば良いのでしょう?
ユーザ調査から始める
ユーザが誰なのか、ということよりも、ユーザがツールを使って何をしているのかの方が重要です。調査を通じてユーザがどこで何をしているのか、どんな価値観を持っていて何を重要視しているのかを知ってはじめて成功する製品を生み出すことができます。
現時点でのユーザの動向を把握する
ツールやサービスを活用して、ユーザが自分たちのサイトやアプリをどう使っているのかを掘り下げて調査しましょう。人は結果を先に見てしまうと先入観をもってしまうため、予想と結果の差を正しく考察できなくなってしまいます。これを防ぐためにも、この作業の前に自分の予想を書き留めておくと良いでしょう。
調査後にユーザに直接聞いてみる
ツールを使用した調査が終わったら、今度はユーザに直接何をどうしたくてそのツールを選んだのかを訊いてみましょう。最低でも10人のユーザにメールでアンケートを送付したり、ユーザの分布が散らばっていなければ直接インタビューしたりして、何をしたくてそのツールを使っているのかを訊いてみると良いでしょう。
はじめるのは簡単
UXデザイナーが市場で成功するような製品を作るには、ユーザテスト等を通した情報が必要です。マーケッターが消費者との対話で情報を集めるように、UXデザイナーも情報収集を通して得た新しい知見で、ソリューションを提案していけるはずです。
(※本記事は、Taking the Marketing Approach to UXを参考にしています)