最近のWebデザインはつまらない。その「魂」であるクリエイティブさを失ったし、平凡だ…。
本当にそうでしょうか?
「ビジネスや製品の告知のためだけにあるパンフレットのようなWebサイト」のデザインは日に日につまらなくなってきているかもしれません。しかし、すべてのWebデザインがそうなっているわけではありません。
つまらないWebサイト?
「ビジネスや製品の告知のためだけにあるパンフレットのようなWebサイト」、つまり事業や製品を紹介するWebサイトはつまらなくなりがちです。
しかし、そういったWebサイトがサイト全体に占める割合はほんの一部に過ぎません。
このWebサイトはデジタル方式の名刺のようなもので、事業に関する重要な情報を1つの場所に集約し、案内するインタラクティブなページです。
ビジネスや製品の告知のためだけにあるパンフレットのようなWebサイトは1つの規定に従って評価されます。
それは、案内機能(ウェイファインディング)です。文字通り、見つけたい情報の案内をします。
ウェイファインディングは道の標識など物理的なものからWebサイトのナビなどデジタルなものまでさまざまです。
デザインの仕事を始める人はたいていWebデザインからスタートします。
しかし、ビジネスや製品の告知のためだけにあるパンフレットのようなWebサイトのデザインと広告デザインはまったく違うものです。広告デザインは多くの競合デザインの中で人目を惹き付けるものである必要があります。
一方、ビジネスや製品の告知のためだけにあるパンフレットのようなWebサイトはユーザーがすでに訪問することを選択したページです。そのため、そういったサイトのデザインは、ユーザーが探している情報に誘導するだけです。
つまり、複雑で迷ってしまうようなデザインよりも、どこに何があるかわかる予測可能なデザインが優先されます。
デザイナーのニーズVSユーザーのニーズ
中心的な人物を裁ち落として配置した横方向に並べたトップページのナビはありふれていてどこでも見かけます。
しかし、一般的なパターンを「悪いもの」と決めつけて拒否してしまうのは短絡的すぎます。
一般的によく使われているということは、問題を解決できる確立された手法であることを意味します。
横方向に並べたナビを使うと、ユーザーの選択肢を絞り、認識するための負荷を軽減でき、画面のスペースを最大限生かせます。さらに、中心的な人物のグラフィックを使うと、ユーザーは見る範囲が限定され、探しているWebサイトかどうか即座に判断できます。
そして何よりも、ユーザーのニーズを重視しています。そのために、デザイナーのエゴを排除しています。Appleなどもそうしています。
質の高いビジネスや製品の告知のためのパンフレットのようなWebサイトを作成するのは、ヘルプデスクへの問い合わせに機械的に対応するようなものです。
ですから、ある意味難しいです。最新の技術を使えば良いというものではないということです。
目を見張るようなデザインのWebサイト
「ビジネスや製品の告知のためだけにあるパンフレットのようなWebサイト」のデザインの退屈さはある意味仕方のないものかもしれません。
そういったサイトの一方で、こんなにもクリエイティブなWebサイトも存在しています。これらは要チェックです。
まとめ
「Webサイトデザインはつまらない」という意見は確かに存在します。しかし、そのような発言の根底にあるのは、デザイナーたちのフラストレーションです。
新しいものを創造したい、デザインの限界に挑戦したいという想いがあったからこそのコメントなのです。
ユーザーのニーズを第一に考えることは重要です。
ユーザーフレンドリーなデザインにするには、ユーザーが探している情報を彼らの予測可能な場所、見つけやすい場所に配置すればよいのです。
「ビジネスや製品の告知のためだけにあるパンフレットのようなWebサイト」においてクリエイティビティを発揮するのは確かに困難です。
しかし、Webデザインをするということは、そういったサイトだけをデザインすることではありません。
デザインするWebサイトの目的に合わせて、あなたのクリエイティビティを発揮していきましょう。
※本稿はWeb design isn’t becoming more boring, and isn’t losing its soulを翻訳・再編集したものです。