ここ数年、仮想現実(Virtual Reality; VR)のためのデヴァイスやアプリの展開には目を瞠るものがあります。
VRは新しいメディアとして現れてきており、ラジオやテレビに勝るとも劣らないような強いインパクトを潜在的にもっているとも思わされます。
デザインは、VRの要求に応じることが求められます。
Webデザイナーとして、何を知っておくべきでしょうか。
1.VRはどんなものに取り入れられるのか
・ゲーム
VRを使えば、すべて人の手でデザインした空間内をユーザが自由に動き回ることが可能になります。
・学習
授業や研究、デモンストレーションで利用すれば、ユーザがより積極的に学習に参加したり、学習効果を高めたりすることが可能になります。
・訓練
ドライバー、パイロット、医者、警察官など専門性の高い訓練をより安全に・低コストで実施することができます。
トヨタ自動車のような大企業ではVRによる訓練の有効性が注目されており、トヨタ最新のトレーニングシミュレータでも取り入れられています。
・プロトタイピング
プロトタイピングやテスティングでの利用も期待されています。
・コミュニケーション
Skypeなどのビデオ通話のエクスペリエンスも、VRの力で全く違ったものに進化します。
・買い物
オンラインで画像を見るのではなく、VRで商品を“手に取って”確認することが可能になります。アジア最大のeコマース企業のアリババグループも昨年末に導入しました。
2.VRエクスペリエンスをつくる
従来の2DエクスペリエンスとVRのエクスペリエンスとでは、勝手が全く異なります。
・ユーザが酔わないように配慮する
どんなUXデザインでも大切なのはユーザが心地よく製品を使えるということです。VRのように身体が感じる動きと視覚情報で把握する動きが食い違うと、人は酔ってしまいます。VRソフトウェアを開発する際は、常にユーザの頭と目の動きを追って対応するようにしたり、一瞬でもシステムがフリーズして視覚情報と身体情報の食い違いが起こらないよう品質を徹底管理したりする必要があります。
・簡単に操作できるコントロールとメニューを開発する
VRインターフェイスも使いやすさと分かりやすさが重要です。メニューをユーザの手の上に表示してシンプルな動きで使いこなせるようにするなど、工夫が大切になってきます。
・テキストが読めるようにする
VRヘッドセットの解像度はあまりよくありません。テキストが読みやすく、ユーザの目が疲れないよう、大きめのテキストブロックなどで対応しましょう。
・音響を活用してよりリアルな体験に
デザイナーをやっていると音について考える機会は中々ないと思いますが、VRに音を加えることでよりリアルな体験を提供できます。音を上手に活用してユーザが特定の環境にいるのだと錯覚させたり、音で誘導したりしてみましょう。
VRの可能性は無限です。
すべての業種の企業がこの分野でのブランド・プレゼンスを重視するようになるでしょう。
来るべきそんな時にそなえて、VRの展開を注意深く見ておくことが必要です。
※本記事は、What You Should Know About VRを翻訳・再構成したものです。