Webアクセシビリティのコンサルティングを行うユニバーサルワークスが、自治体サイトのWebアクセシビリティ調査の結果を公表。全国47都道府県と20政令指定都市のWebサイトを対象に、ウェブコンテンツへのアクセスのしやすさを調べた結果、昨年に引き続いて、島根県公式ホームページが最もアクセスしやすい自治体サイトに決定したと発表しました。
島根県が高い評価を得た一方で、高齢者や障害者を含むすべての人が利用可能なWebサイトにするための取り組みはまだまだ不十分と言える結果となったとしています。
■調査概要 調査方法:調査員が実際にWebサイトにアクセスして評価 調査期間:2016年8月22日~31日 調査員 :全盲の視覚障害者を含む当社専属調査員(2名)が担当 調査対象:47都道府県および20政令指定都市の公式ウェブサイト 調査手法:「JIS X 8341-3:2016」達成基準などを目視評価
■調査結果の主なポイント
(1) 自治体サイトの多くで、アクセシビリティ上の問題が多数
総務省が示すWebアクセシビリティ基準「適合レベルAA」を満たさないサイトが多数あるだけでなく、AAを満たしていることを表明していても、実際の品質が表明内容と異なるケースが散見された。
(2) 国際規格に規定されるコントラスト値を7割以上が下回る
コントラスト比(前景と背景の色の差)が、国際規格に規定される「4.5:1」を満たさないサイトが多数。健常者でも読み取り困難な例もあった。
(3) 2015年高評価を得た島根県が、2016年も高評価 明確な文書構造、仕様に即した高い文書品質、適切な文字サイズ、高いコントラストなど、2015年高評価を得た島根県公式ホームページが、最もアクセスしやすいサイトだった。
(4) 障害者差別解消法の法的義務を果たせるか疑問 調査に当たった全盲の調査員には到達できないコンテンツも多数出現。また、問い合わせ先としてファクス番号が記されないなど、聴覚障害者への配慮が不足している例も見られた
調査結果は以下のサイトで発表されており、各自治体サイトへの評価コメントも記載されています。Webサイトのデザインや開発に関わる方は、参考に見てみてはどうでしょうか?