AIとUXは切り離せない関係にあります。一部では、人間が行っているUX改善の作業を全てAIが担うようになる、と言われています。しかし現実的なところでは、UXに対する私たちのアプローチが変化する、というのが最適な表現でしょう。これからのUXデザイナーは、AIの学習が必須となります。
AIがUXデザインに与える影響
AIがUXに与える影響は、大きく2つあります。ひとつは基本的なデザインプロセス、もうひとつがインターフェースと人間との触れ合い方です。これまで、こうした変化は優れたアルゴリズムの登場によって引き起こされてきました。現在ではGoogleをはじめNetflixやAmazonなど、数多くの企業が正確なレコメンデーションを行うためにAIを活用しています。
デザインプロセスへの影響は、The Gridがわかりやすい例でしょう。コンテンツ管理システムに膨大なウェブページを貯めておき、オンデマンドでデザインとカスタマイズが行われます。情報量を増やす作業に必要なのは、ただコンテンツをアップロードするのみです。あとはAIが自動的にSEO済みのサイトを制作してくれるのです。
AIはデザイナーを殺さない
The Gridの例を見ると、もう人間は必要なさそうに思えます。しかしデータセットやプログラミングに関して、AIはまだまだ力不足です。通常とは異なる需要への対応も遅れがちであり、革新的で楽しいデザインを作るのにデザイナーの手は必須なのです。
UXを改善するAIの使い方
UXデザイナーに仕事で気に入らない点をたずねると、きっと数えきれないほどのありふれた作業だと答えるでしょう。AIの助けを借りれば、デザイナーはクリエイティブな作業や戦略の構築に集中できます。
The GridのようなAIシステムは、A/Bテストのレイアウト作成に、過去のデザインやストーリーボードを利用します。デザイナーはモックアップの作成に時間を費すかわりに、サイトの要点を素早く評価し、フィードバックを得て、完成品の作成に時間を使うことができるでしょう。
AIを使った結果の予測も大きな価値があります。カスタマージャーニーを素早く発見し、特定のユーザーベース向けにサイトを簡単に改善できるようになります。
このように、近い将来のUXデザインでは、AIの価値を理解したデザイナーの存在が必須となります。AIを利用することでデザインプロセスが大きく変化し、これまでになかった製品が数多くリリースされるでしょう。
※本記事は、How AI Will Affect UX (And Vice Versa)を翻訳・再構成したものです。