「身の回りの酸化の例を挙げなさい」。理科のプリントでこの問いに止まったら、自転車置き場と台所を思い出してください。さびたチェーン、茶色くなったりんごの切り口、古くなった揚げ油は、どれも物質が酸素と結びついた結果です。この記事では身近な酸化・還元の例を16個、一覧表と個別解説でまとめました。
身近な酸化・還元の例 一覧表
宿題やテストでそのまま使えるように、16例を先に並べます。上の9つが酸化、下の7つが還元です。気になった例は、この表の下で1つずつ解説しています。
| 現象 | 酸化か還元か | 何が起きているか |
|---|---|---|
| 鉄がさびる(自転車・釘) | 酸化 | 鉄が水と酸素に触れ、酸化鉄に変わる |
| 使い捨てカイロが温かくなる | 酸化 | 中の鉄粉が酸素と結びつき、熱を出す |
| ガスコンロやろうそくの炎 | 酸化(燃焼) | 炭素と水素が酸素と結びつき、二酸化炭素と水になる |
| スチールウールを燃やす | 酸化 | 鉄が酸素と結びつき、燃やす前より重くなる |
| りんごの切り口が茶色くなる | 酸化 | ポリフェノールが酵素の働きで酸素と結びつく |
| 揚げ油が古くなる | 酸化 | 油の成分が空気中の酸素と少しずつ結びつく |
| 十円玉のくすみ・銅像の緑青 | 酸化 | 銅が酸素や水、二酸化炭素と反応する |
| アルミサッシ・ステンレスの表面 | 酸化 | 薄い酸化被膜ができ、内部を守る |
| 呼吸 | 酸化 | 体の中で養分が酸素と結びつき、エネルギーを取り出す |
| 製鉄所で鉄を取り出す | 還元 | 鉄鉱石(酸化鉄)から酸素を奪って鉄にする |
| 酸化銅と炭素の実験 | 還元+酸化 | 酸化銅は酸素を失い、炭素は酸素を受け取る |
| 酸化銅と水素の実験 | 還元+酸化 | 酸化銅は銅に戻り、水素は水になる |
| アルミニウムの製錬 | 還元 | 電気の力で酸化アルミニウムから酸素を取り除く |
| 還元系漂白剤で鉄サビ汚れを落とす | 還元 | 布についた酸化鉄から酸素が外れ、水に溶けやすくなる |
| 銀の黒ずみをアルミホイルで落とす | 還元(発展) | 硫化銀から硫黄が外れ、金属の銀に戻る |
| フィルム写真の現像 | 還元(発展) | 光の当たった銀の化合物が金属の銀に変わる |
「還元」と書いた行では、酸化物から外れた酸素を必ず別の物質が受け取っています。つまり同じ場所で酸化も進んでいます。末尾2行の「(発展)」は、酸素ではなく硫黄などが外れる例です。中学の「酸素を失う=還元」では説明しきれないので、答案に書く例としては選ばないでください。理由はそれぞれの解説で説明します。
酸化と還元とは?セットで起きる理由
中学理科では、物質が酸素と結びつく反応を酸化、酸化物から酸素が取り除かれる反応を還元と習います。酸素をもらったか、手放したか。見分ける軸はこれだけです。
大事なのは、酸素が途中で消えたり湧いたりしない点です。ある物質が酸素を手放したなら、その酸素は必ず別の物質が受け取っています。だから還元が起きているところでは、必ず酸化も同時に進んでいます。
教科書に必ず出てくる酸化銅と炭素の実験が、そのまま見本になります。
2CuO + C → 2Cu + CO2
【酸化銅+炭素→銅+二酸化炭素】
黒い酸化銅は酸素を奪われて赤い銅に戻り、炭素は酸素を受け取って二酸化炭素になりました。1本の試験管の中で、還元と酸化が同時に進んでいます。テストで「還元された物質は?」と問われたら酸化銅、「酸化された物質は?」なら炭素が答えです。
燃焼はいちばん激しい酸化
酸化には速さの幅があります。ガスコンロの炎のように熱と光を出して一気に進むものが燃焼で、鉄のさびのように何か月もかけて進むものがゆっくりした酸化です。速さが違うだけで、酸素と結びつく点は同じですし、どちらも熱を出します。使い捨てカイロが温かくなるのは、この「ゆっくりした酸化の熱」を袋の中で起こしているからです。
酸化と還元は、化学変化という大きなグループの一部です。中和や発酵などほかの変化とまとめて確認したい人は、身近な化学変化の例11選もあわせて読むと分類の全体像がつかめます。
高校に進むと、酸化・還元は電子のやり取りで定義し直され、酸素が関わらない反応も酸化・還元と呼ぶようになります。中学のテストでは「酸素と結びつく/酸素を失う」で答えて問題ありません。
身近な酸化の例
ここからは表の上半分、9つの酸化を順に見ていきます。台所、自転車置き場、自分の体。場所は違っても、起きていることは同じです。
1. 鉄がさびる(自転車・釘・工具)
雨ざらしの自転車のチェーンや、屋外に置いた釘に浮く赤茶色の粉。これが赤さびで、正体は鉄が酸素と結びついてできた酸化鉄です。教科書では次の式で表します。
4Fe + 3O2 → 2Fe2O3
【鉄+酸素→酸化鉄】
実際のさびには水も関わります。乾いた室内に置いた鉄はなかなかさびず、雨や湿気にさらされた鉄が早くさびるのはそのためです。海の近くで自転車がさびやすいのは、潮風の塩分がこの反応を進めるからです。
同じ「さび」でも、南部鉄器の表面にある黒い膜は黒さび(四酸化三鉄)で、こちらは内部に酸素や水が届くのを防ぎます。鉄をわざと高温で酸化させて作る保護膜です。さびには、鉄をだめにするものと鉄を守るものの両方があります。
2. 使い捨てカイロが温かくなる
カイロの中身は、鉄粉・活性炭・食塩水を含ませた保水材が中心です。外袋を開けると小さな穴から空気が入り、鉄粉が酸素と結びつきます。この酸化のときに出る熱で、カイロは半日ほど温かさを保ちます。
冷たくなったカイロは、中の鉄粉が酸化鉄に変わって反応が終わった状態です。だから一度冷めたカイロは、振っても温め直せません。カイロを服の上から貼ると長持ちし、外気に直接さらすと早く冷めるのは、酸素が届く量で反応の速さが変わるためです。
3. ガスコンロやろうそくの炎
都市ガスの主成分はメタンです。空気中で燃やすと、次のように二酸化炭素と水ができます。
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O
【メタン+酸素→二酸化炭素+水】
ろうそくのろうも、炭素と水素を含む物質です。集気びんの中でろうそくを燃やすと内側がくもり、石灰水を入れて振ると白く濁ります。くもりは水、白い濁りは二酸化炭素の証拠で、どちらも酸素と結びついた結果できたものです。
4. スチールウールを燃やすと重くなる
金属たわしに使うスチールウールに火をつけると、赤く光りながら燃えます。燃やす前と後で質量をはかると、燃やしたあとのほうが重くなります。空気中の酸素が鉄と結びついて、その分だけ加わったからです。
木や紙を燃やすと灰が残って軽くなるのとは逆の結果です。木の場合は、できた二酸化炭素と水蒸気が空気中へ逃げていくため、手元に残る質量が減ります。この対比は定期テストの定番です。
5. りんごやバナナの切り口が茶色くなる
りんごを切って置いておくと、10分ほどで切り口が茶色くなります。りんごに含まれるポリフェノールが、酵素の働きで空気中の酸素と結びつき、褐色の物質に変わるためです。バナナやアボカド、じゃがいもでも同じ変化が起きます。
塩水にくぐらせると変色が遅くなるのは、塩の成分が変色を進める酵素の働きを抑えるからです。水の膜が酸素をさえぎる効果も加わります。レモン汁が効くのは、レモンに含まれるビタミンCが先に酸素と結びついて、りんごの成分を守るためです。食品に加える酸化防止剤も、この身代わりの考え方で働きます。
6. 揚げ油が古くなる
使い回した揚げ油は、色が濃くなり、粘りが出て、においも変わります。油の成分が空気中の酸素と少しずつ結びつき、別の物質に変わっていく現象です。熱・光・空気の3つがそろうほど進みます。
サラダ油が遮光ボトルで売られ、開封後は冷暗所での保管をすすめられるのは、この酸化を遅らせるためです。揚げ物のあとの油をこして密閉容器に移すのも、空気に触れる面を減らす工夫にあたります。
7. 十円玉のくすみと銅像の緑青
新しい十円玉はつやのある赤茶色ですが、時間がたつと表面がくすんでいきます。主な原因は、銅が空気中の酸素と結びつく酸化です。銅板をガスバーナーで加熱すると、変化がもっとはっきり見えます。
2Cu + O2 → 2CuO
【銅+酸素→酸化銅】
赤茶色の銅板が、加熱後には黒い酸化銅に変わります。屋外の銅像や神社の屋根が青緑色になるのは緑青で、こちらは酸素だけでなく水や二酸化炭素も関わる複数の反応でできます。組成が場所によって変わるため、1本の式にはまとめられません。緑青の膜ができると内部の銅が守られるので、銅ぶきの屋根は長持ちします。
8. アルミサッシやステンレスがさびにくい理由
アルミニウムは、鉄より酸素と結びつきやすい金属です。それなのにアルミサッシや1円玉はぼろぼろになりません。表面にできた酸化アルミニウムの膜が緻密で、内部まで酸素を通さないからです。アルマイト加工では、この膜を電気の力で厚くします。
ステンレスも同じしくみで守られています。含まれているクロムが表面に薄い酸化被膜を作り、傷がついてもすぐに膜が作り直されます。表面が先に酸化しているからこそ、内部はさびずに済むのです。鉄のさびとは逆向きに働く酸化だと考えてください。
9. 呼吸(体の中で起きている酸化)
吸った酸素は、体の細胞まで運ばれて養分と結びつきます。このとき生活に必要なエネルギーが取り出され、二酸化炭素と水ができます。出入りする物質はろうそくの燃焼とほぼ同じで、違うのは進み方です。体の中では体温くらいの温度で、少しずつ段階を踏んで進みます。
「体がサビる」という言い方を聞くことがありますが、これは鉄のさびになぞらえた比喩です。理科の答案には比喩を持ち込まないでください。
身近な還元の例
還元は実験室だけの話ではありません。手元にある鉄製品もアルミ缶も、還元を経て金属になったものです。表の下半分にあたる7例のうち、はじめの5つは中学の定義でそのまま説明でき、最後の2つは高校の定義が必要になります。
10. 製鉄所で鉄鉱石から鉄を取り出す
鉄は地中に金属のまま埋まっているわけではありません。酸素と結びついた酸化鉄、つまり鉄鉱石として存在します。製鉄所の高炉に鉄鉱石とコークス(炭素のかたまり)を入れて下から熱風を送りこむと、コークスから生じた一酸化炭素が酸化鉄から酸素を奪い、あとに鉄が残ります。
Fe2O3 + 3CO → 2Fe + 3CO2
【酸化鉄+一酸化炭素→鉄+二酸化炭素】
身の回りの鉄製品は、どれもこの還元を経て作られたものです。そう考えると、鉄がさびるのは酸素と結びついていた元の状態へ戻ろうとする動きだと理解できます。
11. 酸化銅を炭素で還元する(教科書の定番実験)
記事の前半で式を見た反応を、今度は実験のようすで確かめます。黒い酸化銅の粉と炭素の粉を混ぜて試験管で加熱すると、粉の色が赤茶色に変わり、発生した気体を通した石灰水は白く濁ります。赤茶色は取り出された銅、白い濁りは二酸化炭素です。酸素が酸化銅から炭素へ移った証拠がそろいました。
この実験が入試で何度も出題されるのは、還元と酸化が同時に起きることを1回で確かめられるからです。終わらせるときの手順も頻出です。まず石灰水が逆流しないようにガラス管を抜き、次に火を消し、最後にゴム管をピンチコックで閉じます。空気が入ると、せっかく取り出した銅がまた酸化してしまうからです。
12. 酸化銅を水素で還元する
酸化銅に水素を送りながら加熱する方法もあります。
CuO + H2 → Cu + H2O
【酸化銅+水素→銅+水】
黒い粉が赤い銅に変わり、試験管の口の近くには水滴がつきます。酸化銅から外れた酸素の行き先が、目に見える水として現れる実験です。炭素を使う場合と比べると、酸素の受け取り手が違うだけで、起きていることは変わりません。
13. アルミ缶のもとをたどると電気分解に行き着く
アルミニウムの原料はボーキサイトという鉱石で、そこから取り出す酸化アルミニウムも酸素と結びついた状態です。アルミニウムは酸素との結びつきが強く、炭素で酸素を奪うやり方では取り出せません。そこで、溶かした酸化アルミニウムに大きな電流を流し、電気の力で酸素を切り離します。
この工程には大量の電力がいります。アルミ缶のリサイクルが熱心に呼びかけられるのは、鉱石から作り直すより、いったん金属になったアルミを溶かし直すほうが使う電力がはるかに少なくて済むためです。
14. 還元系漂白剤で鉄サビの黄ばみを落とす
家庭用の漂白剤は、大きく2種類に分かれます。塩素系と酸素系は、酸化の力で色素を分解する酸化型です。これに対して、鉄サビによる黄ばみ用の「還元系漂白剤」は還元型で、布についた酸化鉄から酸素を外し、水に溶けて流れやすい状態に変えます。
パッケージの「還元系」「酸素系」という表示は、どちらの向きの反応で汚れを落とすかを示しています。向きが逆の薬剤どうしは打ち消し合うので、混ぜても効果は上がりません。種類の違う漂白剤や洗剤は、発熱したり有毒な気体が出たりする危険があるため、絶対に混ぜないでください。とくに塩素系の漂白剤と酸性タイプの洗剤の組み合わせは危険で、容器に「混ぜるな危険」と大きく書かれています。
還元の例に光合成を挙げてよいか迷う人がいます。二酸化炭素から酸素が切り離されて有機物ができる点に注目すれば、還元と同じ向きの変化です。ただし中学の教科書は、光合成を酸化・還元の単元では扱いません。テストで問われたら、製鉄や酸化銅の実験を答えるほうが確実です。
15.【発展】銀の黒ずみをアルミホイルと重曹で落とす
銀のアクセサリーやスプーンが黒くなる現象は、酸素ではなく硫黄との反応です。空気中のわずかな硫黄を含む気体と銀が結びつき、黒い硫化銀ができます。中学で習う「酸素と結びつく=酸化」には当てはまらないので、答案に「銀の黒ずみは酸化」と書くと減点されることがあります。
これを落とす操作も、同じ理由で扱いに注意がいります。アルミホイルを敷いた容器に重曹を溶かした熱湯を入れ、銀を浸すと黒ずみが消えます。アルミが硫黄と結びつく側にまわり、銀は金属の銀へ戻るためです。研磨剤でこする方法と違って銀そのものが削れないので、細い彫りのある品物にも向きます。
ここで外れるのは酸素ではなく硫黄です。そのため中学の「酸素を失う=還元」ではこの変化を説明しきれません。高校で習う電子のやり取りで見ると、銀が電子を受け取っているので還元にあたります。テストで還元の例を書くときは、この例ではなく製鉄や酸化銅の実験を選んでください。
16.【発展】フィルム写真の現像
デジタルカメラが広まる前の写真も、銀が金属に戻る変化で成り立っていました。フィルムには臭化銀などの銀の化合物が塗ってあり、光が当たった部分にごくわずかな変化が残ります。現像液に浸すと、その部分の銀だけが金属の銀に変わって黒くなります。
写真の黒い部分は、細かい銀の粒が集まったものです。この変化も酸素は関わらず、現像液から銀へ電子が渡ることで進みます。銀の黒ずみ落としと同じく、高校の定義でいう還元の例だと覚えておいてください。
酸化を防ぐ工夫(脱酸素剤・真空パック・めっき)
酸化は身の回りで勝手に進みます。そこで、食品や金属を長持ちさせるために、酸素を近づけない工夫や、身代わりに酸化させる工夫が使われています。
脱酸素剤と真空パック・窒素充填
お菓子の袋に入っている「食べられません」と書かれた小袋が脱酸素剤です。中身の主役は鉄粉で、袋の中の酸素を先に吸い取ります。使い捨てカイロと同じ反応を、お菓子の袋の中で起こしているわけです。
真空パックは、酸素を含む空気そのものを抜く方法です。ポテトチップスの袋がぱんぱんに膨らんでいるのは、空気の代わりに窒素を詰めているからです。窒素は酸素と違って食品と反応しにくく、中身の割れも防げます。脱酸素剤の鉄粉が酸素を吸う反応も、暮らしを支える化学変化の一つです。ほかにどんな例があるかは身近な化学変化の例11選にまとめてあります。
めっき(トタンとブリキの違い)
鉄に別の金属をかぶせて守るのがめっきです。中学で必ず対比されるのが、トタンとブリキです。
| 名前 | 鉄の表面 | 傷がついたとき | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| トタン | 亜鉛めっき | 亜鉛が先に反応して鉄を守る | 屋根、外壁、バケツ |
| ブリキ | スズめっき | むき出しの鉄が先にさびる | 缶詰、おもちゃ、容器 |
亜鉛は鉄より酸素と結びつきやすい金属です。そのためトタンは傷がついても亜鉛が身代わりになり、屋外で使う屋根や外壁に向きます。ブリキは傷がつくと鉄がさびてしまうので、内側が傷みにくい缶詰などに使われます。
家庭でできる工夫
特別な道具がなくても、酸化は遅らせられます。
・自転車のチェーンや工具に油を塗り、水と酸素が鉄に触れないようにする
・切ったりんごを塩水にくぐらせるか、レモン汁をかける
・使いかけの油やお菓子は、袋や容器の口を閉じて冷暗所に置く
・雨にぬれた自転車は、しまう前に水気をふき取る
どれも「酸素を遠ざける」か「先に別の物質を酸化させる」のどちらかです。理屈が同じだとわかると、初めて見る対策でも仕組みを見抜けます。
よくある質問
酸化と燃焼は何が違いますか?
燃焼は酸化の一種です。酸化のうち、熱と光を出しながら激しく進むものを燃焼と呼びます。鉄のさびや油の劣化も酸化ですが、光を出さずゆっくり進むため燃焼とは呼びません。「燃焼は酸化に含まれる」という関係で覚えておくと、選択肢問題で迷いにくくなります。
「還元の例を1つ挙げなさい」と出たら何と書けばよいですか?
実験の例なら「酸化銅を炭素と加熱して銅を取り出す」、身の回りの例なら「鉄鉱石から鉄を取り出す製鉄」が安全な答えです。どちらも何から酸素が取り除かれたかをはっきり書けます。「酸化銅が還元されて銅になり、炭素が酸化されて二酸化炭素になった」と1文で書ければ、記述問題にも対応できます。
スチールウールは燃やすと重くなるのに、木を燃やすと軽くなるのはなぜですか?
結びついた酸素が手元に残るかどうかの違いです。鉄は酸素と結びついて固体の酸化鉄になり、そのまま残ります。木は燃えると二酸化炭素と水蒸気が空気中へ出ていくため、あとに残る灰は元より軽くなります。密閉した容器の中で燃やして全体の質量をはかれば、どちらの場合も変わりません。
「酸化」と「酸性」は同じ意味ですか?
別のことばです。酸化は酸素と結びつく反応を指し、酸性は水溶液の性質を指します。酸化してできた物質が酸性になるとはかぎりません。二酸化炭素を水に溶かすと酸性の炭酸水になりますが、酸化カルシウムを水に加えるとアルカリ性の水溶液になります。名前が似ているだけで、判断に使う基準が違うと押さえてください。
銀のスプーンが黒くなるのは酸化ですか?
中学理科の定義では酸化ではありません。銀の黒ずみは、空気中の硫黄を含む気体と結びついてできた硫化銀だからです。身の回りの黒ずみやくすみをすべて酸化と決めつけず、その金属が何と結びついたかを確認してください。
「体がサビる」と言いますが、鉄のさびと同じことが起きているのですか?
同じではありません。これは鉄のさびになぞらえた比喩表現です。体の中では酸素を使って養分からエネルギーを取り出す反応が進んでいますが、鉄が酸化鉄になる反応が体内で起きているわけではありません。理科の答案では比喩ではなく、酸素と結びつく反応かどうかで判断してください。
ここだけ覚えれば大丈夫:酸化は酸素と結びつく反応、還元は酸素を失う反応で、この2つは必ず同じ場所でセットで起きます。さび・カイロ・燃焼・りんごの変色は酸化、製鉄・酸化銅の実験・アルミニウムの製錬は還元。この7例なら酸素の動きをそのまま説明できるので、宿題の「身の回りの例を挙げなさい」に安心して書けます。








