BtoB企業が、毎年BtoC企業の売上の2倍以上の収益を生み出していることをご存知ですか?
具体的には、BtoCの売上高は約5,590億ドルで、BtoCの売上は2,530億ドルです。いずれもすでに鼻で笑えるような数字ではありませんが、さらに成長するだろうことは明らかです。
しかしBtoBのセールス・ピッチを上げるためには、かなりのウォーミング・アップが必要であることもまた事実です。
実際、BtoBマーケティングのデジタル的進化についての記事では、BtoBの購入者が、潜在的な購入について誰かに話す前に、意思決定プロセスの57%がすでに済んでしまっていると報告されています。つまり、自分のサイトでなにかを売ることができるためには、サイトがあらかじめ知られている必要があり、前もってよく宣伝されている必要があるのです。
しかし、そのような十分に教育された、しばしば扱いの難しいターゲットオーディエンスについて、どんなアプローチがあるでしょうか。
本記事では、顧客のWebサイトを大幅に改善してBtoBセールスを増加させるのに役立つ、インバウンドマーケティング戦略の1つであるA / Bテストについてご紹介します。とくに上述のようなタイプのオーディエンスについては、A / Bテストでは、行動を促すフレーズ(CTA)をターゲットに設定する必要があるのです。
1.A / BテストはBtoBセールスにどのように役立つか
前向きに道を切り開いていこうとする企業は、バックアップを取れるハードなデータがあれば、顧客の信頼を作る要素がなんであるかを見定めるのはそれほど難しくないことを知っています。 Googleアナリティクスは手始めには適していますが、訪問数やセッションの内容を改善するために、CTAのデザイン、言葉遣い、色、配置に具体的にどのような変更が必要かは教えてくれません。
これがA / Bテストの必要性の理由です。A / BテストとはWebの分割テストです。
現在使用しているオリジナルバージョンのCTAを、バージョンAとします。これが、 “実験”の対称項として機能するものです。つまりこのAのCTAは、それがオーディエンスに対してどのように機能するかがある程度しっかりと把握されており、これからテストする新しいデザインとの公正な比較項となるはずのものです。
次に、バージョンB(および場合によってはバージョンC、Dなど)があり、これが実験のテスト変数となります。つまりオリジナルのCTAのヴァリエーションです。元のデザインの何が間違っているかについての仮説を効果的にテストするには、元のデザインのうち1つの変数のみを変更する必要があります。
これらが設定されたら、サイトの各バージョンを何パーセントの訪問者が見るかというパーセンテージを選択して、Webサイトでテストを実行します。実験が終了したら、その結果を確認して、どのバージョンのCTAがよりよく機能したかを確認します。言い換えれば、いずれがより多くのエンゲージメントを得て、より多くのコンバージョンにつながったかということです。成績の良かったデザインをサイトに「プッシュ」し、新たに改善されたコンバージョン率とBtoBセールスの増加をモニターできます。
2.WebサイトのBtoBセールスを向上させるための5つのCTA A/Bテストアイデア
変数をいずれにするか決められない場合は、すでににうまくいっているものを見てみるのが有効です。データは、ビジネスのあらゆる決定において常に重要な役割を果たしますが、必ずしもそれが自分のデータでなければならないというわけではありません。
マーケティング担当者や企業は、A / Bテストの結果、特にCTAで行われたテストについてはたいてい大々的に公表しています。そこで、以前のA / Bテストを見て、自分のテストのためのヒントを探すのです。
1.Friendbuyのトータルレディデザイン
Friendbuyのチームは、無料の製品デモをテストするために、ホームページへの招待状を作成しました。プロモーションのCTAは若干のエンゲージメントを(1.44%の割合で)得ていましたが、十分ではない数字でした。
元のCTAの外観は次のとおりです。
Friendbuyは、最初に配置に関して行った最善の措置のため、また訪問者が最初にページに行った理由がわかっていたため、全体的なリデザインが順調であると推測しました。
A / Bテストでは、2つの完全に新しいバージョンが作成されました。両方ともCTAに明確なボタンデザインを与え、メッセージの意味に関するあいまいさを取り除きました。
あいまいさを排除し、注意を喚起するためのボタンを設計することで、両方の新しいデザインオプションがオリジナルよりも大幅に優れていることがわかりました。バージョンA「試してみる」は2.47%のクリック率でしたが、バージョンBの「デモを見る」は4.49%でした。
2.エンパイア・フリッパーズの改訂テキスト
VWOは、CTAにおける文言の単純な変更が、コンバージョンの大幅な改善につながるケースを報告しました。サイトの切り替えサービスであるEmpire FlippersがCTAの言葉遣いをテストした結果は次のとおりです。
右揃えのCTAのオリジナルバージョンでは、Empire Flippersは起業家たちに「Join Us!」と呼びかけました.このインスタンスは2.88%のコンバージョン率でした。
“B”のバリエーションでは、このメッセージを”サイトを乗り換えてコストを節約する”に変更しました。
その結果、コンバージョン率は3.84%に上昇しました。CTAの言葉遣いは明確にされる必要があったのです。
3.MedienReich ComputerTrainingsのホームページリンク
MedienReich ComputerTrainingsは、ドイツの企業にソフトウェアのトレーニングを販売する会社です。サイトの元のバージョンでは、3つのカテゴリーのトレーニングを広告していました。
ご覧のように、3つのCTAボックスにはストックフォト、ヘッダーテキスト、簡単な説明、赤いボタンが表示されています。クリックすればさらに情報が見られるようになっています。
この部分へのエンゲージメントを高め、ソフトウェアのトレーニングサービスの販売を増やすために、MedienReichはこのセクションで全く新しいCTAボックスセットを使用してA / Bテストを実施しました。
このセクションでは、クリックオプションの数が3倍近くに増えたにもかかわらず、このサイトでは大きな成長が見られました。具体的には、ホームページによって生みだされたB2Bの売上高は2,149.72ドルから4,436.41ドルに急増しました。この結果は、単にサービスや製品(この場合、特定のトレーニングを示すだけでなく、一般的な説明を示す)のよりシンプルなデザインと明確な説明が、ビジターに行動を起こすよう促すことを示しています。
4.Unbounceのランディングページ構造
クリック単価制のキャンペーンを実行すると、投資収益率が大幅に向上することが期待されます。 Unbounceのランディングページが訪問者をコンバージョンボタンに誘導する方法はもともとそれほど不味いように思われませんが、マーケティングディレクターはより良い方法があると信じていたのでしょう。
A / Bテストでは、オレンジ色のCTAボタンを価格表の一番上に移動しました。その結果、この再構成されたPPCランディングページは、ボタンを最下部に配置した元のページよりも41%コンバージョンが改善されました。
5.Delivraのトラストマーク
電子メールマーケティングの自動化サービスを提供するDelivraは、サイトで提供していた無料の電子メールマーケティングガイドのサインアップを増加させるために、フォームとその下のボタンを調べました。その結果、ユーザーが必要情報をすべて記入してガイドをリクエストするべくクリックするという一連のプロセスの完遂を妨げる要因について、見当をつけました。安全性保証です。
最小限の情報を要求するフォームは、無料のレポートを請求しようとするビジネスオーナーやマーケティング担当者にとって大きな不安を抱かせるようなものには見えないかもしれませんが、Delivraは仮設が正しいことを確証しました。セキュリティに関しては、CTAの下に置かれる小さなプライバシー声明が1つあるだけだったのです。
結果、Delivraはフォーム提出率が35%増加しました。このタイプのコンバージョンは、Delivraの売上を直接的に増やすことはできませんでしたが、無料のレポートをダウンロードしたユーザーには信頼できるリソースとして認識されるようになります。
まとめ
A / Bテストは、視聴者の関心を引きつけ、サイトで最高のUXを提供するためのフィードバックを着実に得るのに最適な方法です。このフィードバックから、CTAの設計を定期的に更新することで、意思決定プロセスの最中にあるBtoBの将来の顧客を自分たちの方に引き寄せることができるかもしれません。
※本記事は、How to Increase B2B Sales by A/B Testing Your CTAを翻訳・再構成したものです。
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