見る人が迷惑に感じるプロモーションを喜んでやる人はいないでしょう。人を困らせ、将来あるかもしれないセールスチャンスをつぶしてしまいかねないような宣伝を、誰がしたいと思うでしょうか。しかし悲しいかな、多くの人にとって、現状の広告が新しい顧客を引きつけなくなれば、そのようなマーケティングもやむを得なくなるのです。
しかし、この恐ろしい運命を避けることができるとすればどうでしょう。人々を苛立たせる代わりに、潜在的な顧客とつながりを築くことができるとすれば。
ソーシャル・マーケティングは、ソーシャル・メディア・マーケティングの新たなトレンドで、潜在的な顧客である個人と実りある関係を築くことを目的とします。一人一人に考え方や発想、アドバイスを提供することで、信頼を築き、見込み客を育成するわけです。
ソーシャルセールスでは、筋書きやノルマを設定しません。むしろフレンドリーかつプロフェッショナルであることによってシンプルに評判を高め、セールスへとつなげていくことを目指すのです。
たしかに時間と労力のかかる、気の長いアプローチではありますが、特にB2Bビジネスにとって効果的であることが明らかになっています。もちろんB2Bビジネス以外のどのようなチームも、このテクニックを使用し、顧客を呼び込んでくることができます。
本記事では、ソーシャルマーケティングを始める上で踏まえるべき基本的な事項と考え方をご紹介します。
1.ヒューマンインタラクションの重要性
なにより、「顔がみえない」会社にならないことが重要です。無機質なマシンとしてビジネスが思い描かれがちですが、顧客はビジネスそのものではなく会社にいる人と交流することで、より快適に感じられるわけです。これらのつながりをつくるというのは、人間的要素をどのようにビジネスに導入するかということになります。
ロボットのように決まった筋書きを読みあげているだけの人、または明らかに何かを売りつけようとしている人を信頼するというのは難しいでしょう。それに対して、ユーザーに対してレスポンスする時間を割いているということそのものが、良い印象を与えます。これこそ、ソーシャルセールスの核心なのです。
どんなにコストがかかっても、過度のオートメーションは避けましょう。もし自社のTwitter投稿を見た人が、それを顔の見えない機械的にスケジュールされただけの投稿と思ってしまったり、ボットで特定のキーワードを見つけてオートリプライを返したりするようなら、すべては無駄になります。
そうではなく、つながりを作るのです。見込み客を1対1で知るのです。魅力的な交流を心がけてください。最新のソフトウェアデモの宣伝文句を垂れ流すのではありません。迷惑な広告でスパムしないように。手を伸ばして、リアルの関係を築くのです。
2.ソーシャルメディア
重要なルールの第一は、自分がきちんとコミットできるだけのソーシャルメディアアカウントに絞るということです。低品質の投稿をしなければならなかったり、死んだアカウントが生じてしまうほど多くをジャグリングするなら、本末転倒になってしまうからです。
だから、自社の理想を映すようなサイトをいくつか選んでください。たとえばターゲットオーディエンスが60歳以上だとすれば、Tumblrを媒体に選ぶのは無謀といえます。
さらに、始める前に、ソーシャル・セールスのキーを肝に銘じておいてください。すなわち、すべてのインタラクションが宣伝でなければならないわけではないということです。プロフェッショナルで、有益な、権威のある正直な会社としての評判を育ててることが先決なのです。適切な問いを発し、他人の意見を考慮する。オファーを行う前に、まずはつながりを作るのです。
1.LinkedIn
LinkedInは、ビジネスにとって最初の有力な選択肢になるでしょう。 B2Bビジネスの場合は特にここは向いています。他の企業や潜在的な社員に会うのに役立つフォーラム、グループ、記事があり、どのくらいの実績があるかをランクするソーシャル・セールス・インデックスまであります。
欠点は、一般市民とのつながりが少ないことです。ビジネスを所有している人や仕事を探している人だけがLinkedInを定期的に使用します。自社のビジネスがB2Bでない場合、つながりが広がる機会は少なくなるでしょう。
ただB2Bではなくても、社員を通して他の企業の知識を得て活用したい場合などは、LinkedInが有効です。
2.Twitter
Twitterはもう一つの選択肢です。企業間でも人気があり、多様なユーザー層を持ち、さまざまな人々にアプローチすることができます。 B2BでもB2Cでも、交流すべき大規模なネットワークをすばやく見つけることができるでしょう。
Twitterは投稿の長さを制限しているので、ここでエッセイを書くことはできません(最近の許可された文字数増加を活用しても)。代わりに、コンテンツを短く、すばらしく、インパクトのあるものにします。ビジュアルメディアを使用するのは効果的です。ティーンエイジャーや大人をターゲットにしている場合は、Twitterユーザーがなにより評価するのがユーモアのセンスだということを覚えておいてください。
創造性の閃き、一服のウィット、そしてたくさんの魅力的なコンテンツを盛り込むことができれば、直ちにリツイートを得ることができます。
3.フェイスブック
Twitterとは違って、Facebookはビジネス上カジュアルなことがあまりできません。しかし、ここずっと全世界で人気の高いウェブサイトの五本の指の常連であり、常に考慮する価値があります。他のメディアより多くの成人人口とインターネット高齢者層がユーザーであり、そういった層をターゲットとする企業は間違いなくFacebookのツールを使用する必要があります。
Facebookには、ショップ/メニューリスト、人々が質問をする場所、さらには分析ツールなど、多くの便利な機能が付いています。他の多くのソーシャルメディアネットワークにはこれらの機能がありません。
欠点は、B2Bビジネスのマーケティングがかなり難しくなっていることです。そしてまだ多くが残っているとはいえ、若い世代はゆっくりとFacebookを離れています。しかし、TwitterやLinkedIn以外にどれか1つ選択するという場合には、Facebookが最良の選択となるでしょう。
4.タンブラー
Tumblrユーザーはとにかくシェアが大好きです。このサイトは、興味深いコンテンツをリブログできるクリエイターであふれています。たとえば最近のビジネス動向に関する長すぎる記事を投稿するのではなく、楽しい画像、魅力的な投稿、クリエイティブなコンテスト、ユーモアのために使用されます。
「リラックスした、カジュアルで面白い」があなたのブランドイメージに合わない場合、Tumblrは確かに理想的ではありません。次の巨大なビジネスにつながる可能性はあまりないかもしれませんが、それは適確な考え方を持つ企業の間には牽引力を持ち始めています。
Tumblrの短所には、つながりを確立して公開の交流をするのが難しいという難点があります。しかしこの短所は、質問ボックスときちんとしたプライベートメッセージングシステムトで埋め合わせがつけられており、これらを通じて顧客とのコミュニケーションが可能です。
5.InstagramとPinterest
この2つはビジネスではあまり人気がありませんが、一部の企業はそれらをうまく使用し、かなりの成功を収めています。
画像が一定量コンスタントに必要なので、視覚的な魅力要素がない企業には適していません。しかし創造的な、または芸術的な会社は、ここで良い関係を見つける可能性があるでしょう。
Business にとってInstagramは、分析、企業情報、ブログなど、Facebookと同様の機能を備えています。それに対してPinterestは、より少ない機能しかありませんが、その分、分析と教育ツールが付属しています。
6.自社社員によるアドヴォカシー
ここまでのようなポピュラーなソーシャルメディアネットワークで良い感触を掴んだら、次はオンラインでビジネスを宣伝してみましょう。あなたは自分でそれをすることができますが、それは自分自身でもできるでしょうが、別の自立した仕事でもあります。ソーシャルメディアの専門家を雇うできでしょうか?
たいていそうなるでしょう。しかし、会社はすでに貴重なオンラインの存在を保有しています。そう、自社社員です。
自社社員のアドヴォカシーはますますポピュラーになっており、これには正当な理由もあります。人々は当の会社の社員をより信頼する傾向があり、彼らがもつ既に確立されたプロファイルは、自社で立ち上げる新しいTwitterアカウントよりもはるかに深くまで届く可能性があります。彼らは自社製のコンテンツを自分のページに共有し、自分の投稿やアイデアを投稿し、世界に自社の日々の仕事ぶりを知らせることができます。
しかし、ここで重要になるのは従業員にインセンティブを与え、貴重な貢献には、褒賞金であれ、償還可能な報酬のあるポイントシステムであれ、または彼らが興味を持っていると思われるものであれ、きちんと報いることです。
プロセスを自動化するための正式なアドボカシープログラムの使用を検討しましょう。そうすれば、上位の貢献者を見たり、データを調べたり、報酬制度を設定したり、ダッシュボードから正しく投稿したりするのを簡単にすることができます。
ソーシャルセールス:価値ある戦略
ソーシャルセールスをまだ採用していない場合は、今すぐ始めましょう。アカウントを確立しているかどうかを問わず、ソーシャルメディアへの考え方を変えることで、評判と売り上げに違いが出てきます。
宣伝の決まり文句をあちこちに投げるのではなく、潜在的な顧客との関係を築くのです。たとえば彼らからの問いかけへの答えを示すブログ記事のように、実のあるレスポンスにならないような、セールスのためだけのリンクを張ってはいけません。親切でフレンドリーで、販売に直接貢献しない場合でも問いかけには答えてください。
歩く広告のように話をしないこと。自分が人間であることを相手に知らせれば、彼らは共感し、信頼することができます。消費者の信頼がなければ、ビジネスは決して繁栄できません。まずはそれを築くことです。
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